「プラス30ヤード大きめに…抵抗はなかった」 “試練の午後組”で首位発進の西郷真央が生かした海外メジャーでの経験

<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 初日◇7日◇パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)◇6755ヤード・パー72>

強風が吹き荒れ、地面がむき出しになったグリーンは急激に硬く、そして速くなる。そんな午後組で西郷真央が5アンダーの首位タイに躍り出た。トップ10で午後組の選手は西郷のみ。多くの選手が苦しむなか、ひとり気を吐いた。
流れを引き寄せたのは1つ伸ばして迎えた6番パー4。残り118ヤードの2打目をピッチングウェッジで直接決めるショットイン・イーグルを奪った。「いいショットで、『寄れ!』と思ってたら、ギャラリーが『入った!』って」。グリーン付近の盛り上がりで、その事実を察することに。11番ではダブルボギーも叩いたが、9番からさらに4つのバーディを重ねていった。

もちろん、楽な旅路ではなかった。猛暑の影響でもともとコンディションが整いきらなかったグリーンは、枯れた芝により地面がむき出しになる部分も多く、それが“ボールが止まらない”という状況を作り出す。そこに加えての強風。「止まったと思ったボールがグリーンで動くことがあった」と、いいショット、アプローチが予想外の動きをする場面も。「(11番の)ダボもそうですし、その次もアプローチが止まったと思ってから2メートルぐらい流されちゃって。それでも気持ちを切らさずにプレーはできたので、すごくいい」と必死に耐え抜いた。

大村湾に囲まれ、海からの風がもろに吹き込む12番パー3では、強いアゲンストが吹くなか「プラス30ヤードぐらい大きめに(クラブを)持った」という決断をした。5番ユーティリティで打ち、ここをパーでしのぐ。「抵抗はなかった。スッと(大きめのクラブを)持てたのは海外での経験が生きたと思います」。8月の「AIG女子オープン」(全英女子)を4日間戦い抜くなど、今年も海外メジャー5試合を戦った。それも長崎の風と向き合う上で大きく生きる。

今年の米国ツアー予選会に参加し、来季、海を渡ることを目指していく。今週勝つと3年間の複数年シードも手に入るが、それも海外行きをさらに後押しする。本人も「結果として獲れたらうれしい」と意識する部分だ。「ピンポジションによって、難易度が変わるホールがたくさんある。外したらいけない方に外さないように、しっかりマネジメントしていきたい」。2日目は比較的穏やかな天候になりそうな午前組でプレー。一時期陥った不調からの“完全復活”を印象づける4日間にしたい。(文・間宮輝憲)

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