【ジャニーズ会見全文 Vol.3】東山紀之、ジャニー喜多川氏の性加害は“人類史上最も愚かな事件”「夢を握り潰された彼らと夢を諦めた僕とで、しっかり対話を」

【モデルプレス=2023/09/07】故・ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐり、ジャニーズ事務所が7日、都内にて会見を実施。東山紀之をはじめ、辞任した藤島ジュリー景子前社長、ジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦、ジャニーズ事務所顧問弁護士の木目田裕氏が出席した。以下、会見全文。<Vol.3>

【写真】ジャニーズ事務所「再発防止特別チーム」について説明 元マネージャーの“性加害報道”も調査へ

◆東山紀之、社名継続に言及

記者:「ジャニーズ事務所」という名前は変更しない件で、ジャニー喜多川氏の名前でもあるが今まで頑張ってきたタレントさんたちの1つのまとまりでもあるというお話でした。しかし、一般の人間から見るとジャニーズ事務所と言えばジャニー喜多川氏の作った会社で、その方が下手をすると40年、50年、数百人、数千人の人々を不幸のどん底に叩き落としてきたという状況の中で、その方の名前を今後も頭に乗っけていくというのは犯罪を犯したというご自覚が足りないのではないかと思うのですがいかがでしょうか。

東山:おっしゃる通りでございます。今回の提言をいただいて、解体的見直しというものが必要だという意見をいただきました。それを踏まえた上でみんなも本当に理解していると思います。たくさんの方が被害に遭ったこともわかっています。僕自身も名前を変え、再出発した方がもしかしたら正しいのかもしれません。ただ、やはり僕らはファンの方に支えられているものですから、それをどこまで変更することがいいのかということを考えてきました。本当におっしゃる通りだと思うので、今後はそういうイメージを払拭できるほど、みんなが一丸となって頑張っていくべきなのかなという判断を今はしています。

記者:「解体的な見直しが必要である」「空前の性被害・事件がジャニーズ事務所という会社内で起きていた」とおっしゃられていました。社長の交代、被害者への補償、本当にそれで十分と考えられているのか、または不十分なのは分かっているが何らかの理由でそれしかできないのか、だとしたらその理由を教えていただきたいです。そして最後に、今回発表されたもののどこが解体的な見直し、あるいは出直しであるとお考えになったのか教えてください。

東山:まず提言をいただいたのが8月29日だったと思うのですが、そこからの作業でできることには確かに限界もありまして、ただ、やはり急ぎできることをまずしなければいけないですし、被害者の方にも会わなきゃいけないですし、意見も聞かなきゃいけないですし、その中で実際何ができるのかというのを探っているのは事実です。なので、この期間にまずできることをしようということです。本当に大変な事件だと思いますし、本当に人類史上最も愚かな事件だと思います。その道のりというのは大変長い道のりになると思いますが、まずはその1歩を踏み出さないといけないと感じています。なので現実問題、答えをすぐに揃えることは難しいです。ただ、みんなでまず1歩を踏み出し、その道のりを歩み始めなければ何もスタートできないと思いますので、これから行って初めて見えることもあると思います。それをみんなで探しながら、何が正しいのか探りながら、まずは踏み出していきたいと考えております。みなさんがおっしゃることは本当によくわかります。じゃあ、何が揃ってるのか、頭だけ変えたらいいのか。でも、本当に何かをスタートしなければ、始まらないと思うんです。もちろん僕も初めての経験ですし、今後どうなるかというのも予想もできないです。被害者の方々はかつての仲間でもありましたから、まずは引き受けること、もちろん自分も大変だというのはわかりますし、何が正しいのかというのはわかりませんが、まずはやらなければいけないのかなと感じております。できれば、この会見で全てを揃えてみなさんに提出できればよかったのですが、なかなか難しい時期もありましたし、僕自身も引退を決めたのがここ最近だったので。ただ、やるからにはきちんとみなさんの思いを受けて、まずは再出発させてもらおうということを考えました。

記者:元TOKIOの山口達也さんの未成年の女子高生に対するわいせつ問題が起こった際、ジャニー喜多川氏は「すべての所属タレントの親だ」とコメントされています。それを受けてのことだと思うのですが、東山さんはテレビ朝日系「サンデーLIVE!!」で先輩としてお詫びをされたと。そこで「被害に遭われた方、ご家族の怒り、子供を持つ親として理解できる」と、そして「与えてしまった心理的・肉体的辛さがわかるのでお詫びさせていただきたい」と真摯に対応されています。その上で、「僕らは大人の男性として、弱い立場や女性、未成年を守る立場にいるという前提」とお話された後に、「父親のような存在で、信頼していた人にわいせつな行為をされたショックは計り知れない」とおっしゃったんです。その時に実は東山さんは、ジャニー喜多川氏に対しての性加害に関する何らかのシグナルを出されたのでしょうか。

東山:シグナルという意味はありませんでした。ただ、僕も2人の親になり、そういう思いというのがわかりましたし、だからこそ今回の新しい社長というのを受け入れようと思ったんです。なので、シグナルを出したという意味ではなかったです。

◆東山紀之、長い道のりへの覚悟「夢を握り潰された彼らと夢を諦めた僕と対話を」

記者:冒頭で、「特別チームの調査報告書を認める」とお話をして、「被害者への補償や謝罪などをする」とおっしゃっていましたが、その報告書に書かれている被害者の方が今のところの最大値と考えるのか、そこにまだ入れていない人たちがいるというのが前提なのか、もし入れてない人がいるとすれば被害を訴えることまで待つということになりますが、その窓口に関してはどのように考えているのでしょうか。

東山:提言を受けまして、数百人の可能性があると。大変センシティブな問題ですので、僕らが探るわけにはいかないです。なので、心のケアという窓口を作らせてもらって、そこで声を上げていただけたら嬉しいですけど、なかなかそういうことも難しいと思います。どのぐらいの時間がかかるかわかりませんが、その窓口を藤島がやるわけです。僕の考えは、色々なことがあるとは思うんですけど、今回は法を超えて、救済、補償というものが必要だなと思っています。なので、夢や希望を握り潰された彼らと夢を諦めた僕とで、しっかり対話をするということがいいのかなと思います。ここから僕が探るわけにはいかないのですが、非常に難しい問題だなと感じています。ただ、時間を区切るということはないので、僕らは長い道のりだという覚悟を持っています。

記者:5月14日の時点では、性加害について知らなかったと説明されていたかと思うんですけれども、今回、チームの調査報告書の提言をどのように受け止めた結果、今回の認定、そして新体制となったのでしょうか。

ジュリー氏:考えが変わったということではなく、あの時点では当事者も亡くなっておりましたので、私が事実認定をするところに至らなかったことは、私が十分な調査をできていない中で大変申し訳なかったと思います。ただ、これだけ多くの方が声を上げられている中で、今、それは事実だというふうに認識しておりますので、考えが変わったわけではございません。

東山:先ほども申したように、自分たちでそれを調べるということはできないわけです。なので、提言の先生たちの意見を待たなければならず、その中でできることを考えていくのでなかなか難しい作業ではありました。提言を受けて動き出さなければいけないという思いでいましたので、藤島とともに今後を考え、このような結論になりました。

◆東山紀之、今後の方針を説明「“ここにいて良かったな”と思える事務所」

記者:経営方針について、大きく2つのアングルから質問させていただきます。1つはメディアへの対応の仕方で、これまで日本の主要メディアは数々の裁判や一部の週刊誌などにこのような報道が指摘される中で、沈黙を守ってきたところも多かったと思います。その背景には、ジャニーズ事務所の無言の圧力や、タレントの出演を控えるなどのような行為が損度の元にあったと言われております。そのあたりの今後の東山さんの手腕というのは、どういう風に変化されるのか、されないのか、今どう認識されていてそれを変えようとするのかというのをお聞かせください。もう1つはタレントさんのことで、ジュリー前社長の元では、一部のタレントがジュリー前社長との確執の中で退所を決められた方が、喜多川氏の死亡後、たくさんいらっしゃいます。今後もジャニーズ事務所という名前を変えないで活動されるということで、退所されるタレントさんが続く可能性がございます。その場合、東山さんとしてはどのように事務所のタレントさんと向き合って、今回のことを改善の方向に向かわせて辞めないようにしていくのかというお考えをお聞かせください。

東山:まず、メディアの方たちとは対話は必要だなと思っています。深いところはわかりませんが、そう思わせてしまった、そう感じさせてしまった、というのは、やはり喜多川氏、そしてうちの事務所が全てが悪いんだと思います。なので、僕自身がやることで、対話が深まればいいのかなと思っています。タレントさんに関しては、僕が記憶する限り藤島との対立というのは感じたことはないですし、そこに入ったことはないのですが、「ここにいて良かったな」と思えるような事務所を作らないといけないなと思っています。僕はエンターテイメントの学校であるべきだと思っていますし、そこでの教育、知識の深め方、そういうものが今後は必要になっていくのかなと思います。これまでは自分が活動している背中を見せることが自分の役割なのかなと思っておりましたが、今後はみんなと向き合って、まずは対話を重ねていくことが大事になっていくのかなと思います。

◆藤島ジュリー景子氏、退所タレントへの補償に言及

記者:補償を担当される藤島ジュリー景子前社長にお伺いします。補償と同時に、今後被害を訴えられる方が出てくるという可能性があると思うのですが、ジャニーズ事務所の方は「Jr.の方々と契約書などを結んでなかった」という声が多数上がっています。その中で、昔所属していたタレントの方が被害を訴えられる場合、どのように認定されていくという方針があるのか教えてください。また、海外でも被害に遭ったと訴えられている元Jr.の方もいらっしゃいます。そういう中、補償を今後、ご自身の私財含めて会社のお金でどのように払っていくというお気持ちがあるのかどうかということをお伺いできればと思います。

ジュリー氏:補償については、もちろん、先ほど東山が申し上げました通り法を超えて、訴えをいただいた方たちには真摯に向き合っていきたいと考えておりますが、その中でも本当に在籍していらしたかどうかの確認作業はさせていただきたいとは思っております。それ以上の詳しい部分は木目田先生からフォローさせていただきます。

木目田弁護士:在籍に関しまして確かに、過去の古いお話というのもございますので、そういう意味では提言で指摘されてるように、厳密な証拠を求めて、法的に厳密にするよりは、もう少し緩やかに東山新社長が先ほど説明したように、法を超えてきちんと補償してまいりたいと考えています。

記者:今後裁判になる可能性もあるわけで、補償も含め、その時に支払おうと思っている金額は事務所から出すのか、ジャニー氏から受け継いだ遺産のようなものもあると思いますが、私財を含めて払っていくお気持ちがあるのかお伺いしたいです。

木目田弁護士:これから補償につきましては、提言に従って実行してまいりたいと思います。ですので、全体的な金額や具体的な補償の方法、どの財産や資産をもってあてていくかにつきましては、これから検討していく段階でございますので、今の段階でご質問に対してご回答することは、差し控えさせていただきたいと思っております。

記者:藤島ジュリー前社長のお気持ちをお聞かせください。

ジュリー氏:叔父の起こした問題でございますので、姪としては責任を取りたいと思っております。

◆東山紀之、自身のハラスメント疑惑を否定

記者:藤島ジュリー前社長、報告書の中では、スタッフの中でも多く性加害について強要されていたというような指摘もされています。それでも、噂レベルでもご存じなかったのかということを教えてください。東山さん、元Jr.の方が出された書籍の中で、東山新社長の性加害について言及されている部分があるのですが、そこについてお伺いできればと思います。

東山:僕が(性加害をした)ということですか?

記者:はい。

東山:僕はしたことはないです。

記者:冗談を含めてそういうことがあったと言っている方は多いのですが。

東山:僕はしたことはないです。

ジュリー氏:大変恐縮ですが、私はデビューしたタレントのことをマネジメントすることが自分の担当でございましたので。ジャニーズJr.のみなさんとは挨拶はもちろんしたことがあります。今、ジャニーが亡くなってからは接する機会も増えましたが、ジャニーの存命時代は本当に接する機会が少なかったので、残念ながら彼らが私に相談できる環境はなかったと思います。スタッフがそれを私に報告していなかったのかという点で申しましても、私は取締役であったのに無責任な話でございますが、自分に関わっているタレントのこと以外を本当に理解していなかったので、そういうことが行われていたことを認識しておりませんでした。

◆ジャニーズ性加害問題

ジャニーズ事務所は5月14日、元ジャニーズJr.で歌手のカウアン・オカモト氏がジャニー氏からの性加害を訴えていたことを受け、「当社創業者である故ジャニー喜多川による性加害問題につき、大きな失望とご不安を与えてしまい、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。ジュリー氏による動画と文書を公開した。

そして26日には、書面にて「心のケア相談窓口の開設」「外部専門家による再発防止特別チームの設置」「社外取締役」の3つの対策を発表。6月12日には事務所が新たに設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」が会見を行っていた。(modelpress編集部)

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