ついにきた!大分の「ホーバークラフト」新造船が到着 東アジア唯一 別府湾に水しぶき再び!

大分市と大分空港を結ぶホーバークラフト航路の復活プロジェクトで、ついに最初の新造船が英国から到着しました。あのエンジン音が14年ぶりに別府湾に響き、水しぶきをあげて旋回性能を見せつけました。

英国から到着 ホーバークラフト1番船「バイエン」

 大分の名物だった「ホーバークラフト」が14年ぶりに復活です。2023年8月25日(木)、大分県が大分市と大分空港(国東市)のあいだで復活を計画しているホーバークラフト航路の新造船1隻目が大分港から別府湾を航行しました。

 メーカーである英国グリフォン・ホバーワークの関係者も同乗した貨物船が港へ到着し、ホーバークラフトの積み下ろしが行われました。 1番船の船名は「Baien」。「豊後の三賢」のひとりに数えられる三浦梅園(1723~1789)にちなみます。公募で決定した星を散りばめた船体デザインも施されており、水平型ロケットの打上げ拠点を目指す大分空港の「宇宙港」コンセプトを反映しています。 水面に下ろされたホーバークラフトはエンジンを始動し、水しぶきを上げて港の中を周回。ホーバークラフトならではの旋回性能を14年ぶりに披露したのち、大分空港へと航行していきました。今回は、最高速度45ノット(約83km/h)の性能をもつ80人乗りが3隻導入されており、もう2隻も順次到着する予定です。 現地で取材にあたったカメラマンの伊藤洋平さんによると、「以前のホーバークラフトと比べると、エンジンがとても静かでした」とのことで、快適性にも期待がかかります。

なぜわざわざ復活? 東アジア唯一のホーバークラフトに

 ホーバークラフトは、高圧の空気で水面から浮上して高速航行する船で、一般的な船に必要な港の整備や、航路の水深を要しません。1970年代には各地の航路でホーバークラフトが見られましたが、その後は数を減らし、2009(平成21)年に廃止された大分の航路は、国内で最後まで残ったホーバークラフトによる旅客輸送でした。 大分県は大分空港の抜本的なアクセス改善を目指し、別府湾を横断する海上アクセスを検討した結果、かつての遊休施設を活用できるなどインフラ面でも有利で、高速性能をもつホーバークラフトに再び着目。これまで国東半島を回り込む陸路しかなかった大分空港が、別府湾をショートカットすることにより、最速約30分で結ぶことができるといいます。 ただ国内でのホーバークラフトの製造はすでに終了しており、世界で唯一、定期のホーバークラフト航路もあるイギリスのグリフォン社から船体を輸入することになりました。同社で操船や整備の指導も担っています。 新航路の運航事業者は、北九州市を拠点に全国でタクシー事業のほか旅客船事業も展開している第一交通産業です。なお、発着施設は空港側はかつてのホーバー基地が活用されますが、大分市側は異なり、西大分で建設されている新ターミナルの発着となります。

 大分県としては、東アジアで唯一となる珍しいホーバークラフト航路そのものへの集客にも期待を込めているようです。 なお、「Baien」は9月6日(水)に国土交通省の検査を受けるため、大分空港と大分市のあいだで運航される予定です。

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