在日米軍「横田基地」が茨城空港みたいに? 都が“軍民共用化”を調査 目的は「羽田・成田の補完」

東京都が福生市にある在日米軍横田基地の軍民共用化に関する調査を実施します。果たして実現するのでしょうか。

東京都が「横田基地の軍民共用化に関する調査」を実施

 東京都が福生市にある在日米軍横田基地の軍民共用化に関する調査を実施します。東京都都市整備局は2023年8月16日(水)、軍民共用化調査の委託事業者を選定するため、入札を公告しました。

 首都圏では、百里基地(茨城空港)が、軍用機と民間機が滑走路を共有する「共用空港」となっています。横田基地は東京都心から約38kmに位置しており、成田空港よりも近く、3350mの滑走を持ちます。これは羽田空港のC滑走路(3360m)とほぼ同じ長さで、欧米など長距離便の就航も可能です。周辺には、JR各線や西武線が乗り入れる拝島駅、JR八高線の東福生駅、JR青梅線の牛浜駅などの鉄道駅があります。  軍用機以外が発着することもあり、横田基地などとシアトルを結ぶアメリカ軍のチャーター便「パトリオットエクスプレス」が運行されています。  東京都は、増加し続ける航空需要の増加に対応するため、羽田や成田といった首都圏空港の補完として横田基地の軍民共用化を目指しています。軍民共用化により、多摩エリアや埼玉県、神奈川県、山梨県からの航空利便性が大幅に向上するとしています。また、ビジネスジェットなど、多様な航空需要を取り込むことも視野に入れています。  軍民共用化をめぐっては、騒音の増加を懸念する声もあがっていましたが、騒音発生の少ない機種の導入や、運行方式・飛行時間帯を工夫することで、騒音に配慮した軍民共用化が可能としています。  横田基地の軍民共用化はこれまで、2006年5月に公表された在日米軍に関する「再編実施のための日米のロードマップ」に位置付けられ、検討が行われてきましたが、現在に至るまで実現していません。  東京都は過去にも同様の調査を実施しており、今回が初めてというわけではありません。今回公告された仕様書では、引き続き、日米両政府による協議を行うことで、民間航空利用の早期実現を図る取組を進めていく必要があると指摘しています。今回の調査では、共用化を促進するための基礎資料の作成を事業者に委託する予定です。 東京都による軍民共用化に向けた情報収集や調査が継続して行われている状況ですが、果たして今後、新たな進捗はあるのでしょうか。 

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