VIPを最も怒らせた政府専用機に「ええ加減にせえよ!」 政府ブチギレ”即刻クビ宣告”までの経緯 独

外相「How dare you!」

当初は2024年末まで運用予定だったものの…

 ドイツ空軍が、政府専用機として運用していたエアバスA340-300型2機を、「可能な限り早く」運航停止とすると発表しました。当初1機は2023年9月に、もう1機は2024年末での退役が予定されていましたが、これが前倒しとなった形です。なにがあったのでしょうか。

 発端となったのは相次ぐ機体トラブルです。同国のアンナレーナ・バーボック外相は2023年8月、この政府専用機を用いて海外への訪問を予定していましたが、経由地のアブダビから離陸する際、フラップ(高揚力装置)に不具合が発生したため引き返し。その翌日にもう一度フライトを試みるも、同じトラブルが発生し、最終的には訪問が中止となりました。 以前にもこの機は、たとえば、2018年にG20首脳会議の参加のためメルケル前首相が利用した際に、2019年には国連安全保障理事会の参加のためハイコ・マース全外相が利用した際に、それぞれ不具合を発生させ、両氏が会議の開始時刻に間に合わなかったというアクシデントが発生しています。 2機のA340-300ベースのドイツ政府専用機は、機番16+01の方が「コンラート・アデナウアー」、機番16+02の方は「テオドール・ホイス」という愛称が付けられています。由来は前者がドイツ連邦(当時は西ドイツ)の初代首相の名で、後者は初代大統領の名から採られています。両機とも、ドイツ空軍が2011年ころから運用していますが、新造機として導入されたものではなく、ルフトハンザ航空が運航していた中古機を購入し、所要の改修を施したものでした。 政府専用機のため、おもに大統領や首相、国務大臣、連邦議会議長、憲法裁判所所長などの公務で用いますが、人員輸送時には最大143名を収容することができるほか、機内に集中治療室を設けることもできるそう。なお、2013年には赤外線誘導ミサイルの妨害システムを増設する改修も行っています。 現在ドイツ政府は、エアバスA350-900型をベースとした新型政府専用機を導入済みで、A340-300が担当していた長距離路線は、こちらによる運航に切り替えられるかたちです。

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