「地下鉄の車内でクラシック音楽」その後どうなった? 日比谷線の「実験」から5年 手ごたえと壁は

東京メトロ日比谷線で5年前、「車内でクラシック音楽・ヒーリング音楽を流す」という珍しい試みが行われました。あれからどうなったのでしょうか。

新型車両の高性能スピーカーを活用

 東京メトロ日比谷線で2018年、珍しい取り組みが行われました。それは「車内のBGMとしてクラシック音楽・ヒーリング音楽を流す」というものです。

 当時国内では初めての試みで「より快適な車内空間をご提供すること」を目的とした試験運用でした。新型の13000系電車の「高音質ステレオ放送システム」を活かし、よりクリアな音質で楽しめるというもの。 流れるのは奇数番号の編成でドビュッシー「月の光」やショパン「ノクターン」、メンデルスゾーン「春の歌」のクラシック3作品、偶数番号の編成でMitsuhiro氏作曲のヒーリング音楽3作品でした。 意欲的な試みで全国的に注目された「地下鉄の車内BGM」、SNS上では「忙しさを忘れられるから結構好き」「帰宅時間帯にも流してみてほしい」などの声がありましたが、その後耳にすることはありません。また、他の鉄道会社でも同様の取り組みを行うという話は聞こえてきません。あれからどうなったのでしょうか、東京メトロに尋ねてみました。――そもそもどのくらいの期間、どこでBGMを流していたのでしょうか。 2018年1月29日から3月28日までの2か月間です。BGMを流したのは1日のうち特定の1運行で、11時から14時のあいだでした。――利用客からの反応はどうだったのでしょうか。 賛否両論で、SNSの反響や「お客様センター」へ寄せられた意見は、肯定的・好意的な反応も多くありましたが、一方で否定的なご意見も多いといった状況でした。 また、BGMを不快に思われるお客様や、「音に敏感な方」に対しての配慮が必要というご意見もありました。――社内ではどういった反応があったのでしょうか。 先述のように配慮が必要なお客様のために「流す号車を限定する必要がある」といった意見や、そもそも「走行中は聞こえづらくなる」など、解決しなければならない課題が多いという状況でした。――2回目の試験運用や本格導入に至らなかった理由はなんでしょうか。 上記のように、お客様のご意見や諸々の課題などをふまえて検討した結果、次なるアクションは差し控えることとなりました。

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