飛ばし屋有利の軽井沢では原英莉花に期待 “ぶっとびアイアン”菜々、“ピンスジ”祐香も見逃せない【大西翔太のSHOWTIME】

<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 事前情報◇10日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6702ヤード・パー72>

警報が出るほどの危険な暑さが日本列島を襲うなか、今週の国内女子ツアーは比較的涼しい長野県・軽井沢町の軽井沢72ゴルフ北コースで行われる。大会3日間の天気予報では、最高気温が最も高いのは大会初日と2日目の27度。前週の北海道大会に引き続き、暑さとの戦いを心配する必要はなさそうだ。昨年大会は岩井千怜がトータル13アンダーで初優勝を遂げた。今大会は誰がどこまでスコアを伸ばすのか? 青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏に展望を聞いた。
■飛ばし屋が有利であるのは間違いない。だが……。

「台風シーズンならではの降雨により、フェアウェイもグリーンも軟らかく、球が止まるコンディション。これは必然的に飛ばし屋が有利ということ。福嶋晃子さんがこの大会で4勝を挙げていることからも、それは分かります」と開口一番、大西氏は飛距離を強調した。

とはいえ、「標高1000メートルに位置するコースだけに、飛距離はアイアンで5~10ヤード伸びるでしょう。このアイアンの縦距離の違いに、どこまでアジャストできるかも重要になってきます」。ということは、この飛距離の伸びをうまく利用できれば、飛ばない選手にもチャンスはある。

「スコアの伸ばし合いになってきます」と、大西氏は飛ばし屋とショットメーカーの厳しいせめぎ合いを予想する。原江里菜が21アンダーを叩き出して優勝した2007年をはじめ、今大会はバーディ合戦が“通常運転”。最低でも1日に5つのバーディは必要になってくるだろう。

■ショットメーカー・安田祐香はゾーンに入ると手に負えない

では、誰が優勝争いに顔を出してくるのか? 大西氏が最初に名前を挙げたのは、飛ばし屋ではなくショットメーカーだった。

「安田祐香選手。所属のNECの冠大会だからこそ、覚悟を決めてくるはずです。その覚悟がゾーンに入るきっかけをつくると思います。安田選手はゾーンに入るとピンに向かってボールが飛ぶ。手に負えない存在となります。それにミドルディスタンスのパターが入ってきているのも、プラス材料です」

次に名前を挙げたのは飛ばし屋、原英莉花。今大会がツアー復帰2戦目となる。

 「原選手は前週に3カ月ぶりの復帰戦で、予選を通過しました。椎間板ヘルニアの手術を受けて心配されていましたが、痛みはもうないと言っています。手術前は腰をかばって振れないし、練習もやりたいのにできないストレスを感じていたと聞きます。それが思う存分、振れるようになった。これは精神的にも大きな強みになります」

原は『本当に手術明けなのか』と思えるほど、飛距離が出ているという。また、年間ポイントランキングで上位にいる強豪選手たちは「AIG女子オープン」出場のため不在。これもまた、原にとってはチャンスだ。

■アイアン上手の菅沼菜々はゴルフの組み立て方がうまい

そしてもうひとり。ツアー初優勝が期待される菅沼菜々の名が挙がった。

「菅沼選手のドライビングディスタンスは243.64ヤードで21位ですが、アイアンがありえないくらい飛んでいて、スジるんです。あのショットで標高のプラスがあれば、原さんとの飛距離差10ヤード強は帳消しになるでしょう」

アイアンもさることながら、巧みなマネージメント力も評価する。菅沼、安田らショットメーカーが標高による飛距離アップを生かすのか。はたまた原のような飛ばし屋がさらに飛距離を伸ばして、圧巻ゴルフを見せるのか。熱い戦いに注目だ。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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