全英のイメージは『渋野さん』 “若手選手の声”を聞いた渋野日向子の感慨「あれから時間が…」

<AIG女子オープン 事前情報◇9日◇ウォルトン・ヒースGC(イングランド)◇6881ヤード・パー72>
 
歴代覇者として、今年も大会の芝を踏む渋野日向子。練習ラウンド、そして開幕前日に出場したプロアマでのプレーを経て真っ先に感じたのは、雨の影響で重くなり6881ヤードという数字以上の長さを感じたコースの手ごわさだ。
パー4のセカンドなどでもユーティリティ以上の長いクラブを持つホールが10以上はあるといい、「しんどいな〜」と笑う。さらに「全英っぽくない。っていうかイギリスっぽくないから、そんなに期待しないかな(笑)」とも続けたが、そんな言葉とは裏腹に、プロアマ後も夕方近くまでショット練習を繰り返す姿などからは十分な気合が感じられる。
 
「他の試合とは違った感覚になる」。駐車場の一角にある歴代女王だけが停められる“チャンピオンパーキング”は「1年に1回の楽しみ(笑)」と、特別な気持ちにさせてくれる場所だ。「この楽しみをちょっとずつ増やしていくのを楽しみたい」。他のメジャー大会での勝利を、強く意識するきっかけになった大会ともいえる。
 
先週のスコットランドでの4日間は、最後悔しい気持ちを抱くことになったが、予選ラウンド2日間を単独首位で終えるなど状態が上向いていることも感じた。そこでは故障した左手への負担軽減のため、体を使った力みのないスイングを意識。今週はコースの長さもあり、「振っていきたい」という欲求は出てくるものの、「少し狭く見えるところもあるし、ドッグレッグもあるので、そこでしっかりコントロールできるように振っていかんと」と、やはり先週のキーワードのひとつにもなった“冷静さ”は忘れない。
 
プロアマの進行が遅れ、時間の都合で結果的に中止にはなったが、当初は開幕前日の公式会見に臨むメンバーのひとりにも名を連ねた。「あんまり注目されなくていいんですけど。ほっといてもらって大丈夫(笑)」と冗談めかすが、どうしてもこの大会では自然と視線が集まってくる。16人が出場する日本勢のなかには、アマチュアの馬場咲希や、櫻井心那、川崎春花ら若い選手も多い。そんな“後輩たち”に全英のイメージを聞いてみると、すぐに「渋野さん」という答えが返ってくることが多かった。
 
そんな事実は、「自分のゴルフ人生で一番でかいことは全英で勝ったこと。それを年下の選手がそうやって言ってくれているのは、すごくうれしい」と素直によろこべること。あの出来事から4年。当時、高校生、中学生だった選手たちと、“ゴルフ人生を変えた”舞台で戦えることは「あれから時間が経ったんだな。すごく経ったんだなと思う」という感慨にもつながる。
 
一時苦しめられた左手痛も、「ちょっとずつできる動きが増えているのは実感できている」と快方に向かっている。昨年は不振に陥るなか迎えたスコットランドの難コース・ミュアフィールドでの大会で、優勝争いに加わり3位にもなった。やはりこの地では、見る者に“何かをやってくれる”という思いを自然に湧き起こさせる。「楽しめるように頑張ります。4日間戦えるように」。どうしても大きな期待感を背負って臨むことになる全英が、今年も幕を開ける。(文・間宮輝憲)

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