初日92位から9位まで浮上 西村優菜がリンクスで味わっている「ひさびさの感覚」

<フリードグループ・スコティッシュ女子オープン 3日目◇5日◇ダンドナルドリンクス(スコットランド)◇6494ヤード・パー72>
 
ひさしぶりの感覚をスコットランドのリンクスコースで味わっている。西村優菜は、8つのバーディ(2ボギー)を奪ったラウンドを終えると、満面の笑みを浮かべながらクラブハウスに戻ってきた。
空を厚い雲が覆ったスタート時間は、寒さとの戦い。「体が動いていなかったのかな」と、ショットの感覚もなかなか合わなかった。最初にスコアが動いたのは2番のボギーだったが、徐々に体が温まってくるとチャンスにつく一打が増えてきた。「後半はいいリズム。狙えるところはピンデッドに狙って。メリハリがうまくできていました」。9番までに1つ伸ばすと、後半も17番までに4バーディ。そして迎えた最終18番パー5で、“会心のショット”が生まれる。
 
2打目を残り79ヤード地点のフェアウェイ右サイドに落とすと、そこから52度のウェッジで右奥のピンを狙った。すぐ右にはクリークが流れており、そこは西村が初日に落とした場所でもある。それゆえ「打ちづらく超緊張してた(笑)」。だが腹をくくって一振り。ピン位置を見た時は『パーになりそう』と思っていたホールだが、これを左4メートルのチャンスにつけると、続くバーディパットをカップに沈めた。
 
この日のスコア「66」は、日本ツアーメンバーとしてスポット参戦した昨年7月の「エビアン選手権」第1ラウンド、最終ラウンドに並ぶ米ツアーでの自己ベスト。苦しいルーキーイヤーを過ごしてきたなかで、ようやく見せたラッシュだ。前日も「68」を出し、初日の出遅れを取り戻している。「ひさびさに2日続けてよかった。いつも一日はよくても、次の日がダメとかだったので、ひさびさという感覚ですね」。こういった経験の積み重ねが、自信につながっていく。
 
2日目以降、スイングのリズムだけを意識するシンプル思考がハマっている。ショットメーカーとして通算6勝を挙げ、メジャー制覇も果たした日本で、これまで何度も見せてきた持ち味を発揮した一日には感慨も深い。「ここ最近は調子が悪かったけど、『あー、こういう感じでやっていた時もあったな』と思いながらやっていた。すごくいい状態というわけではないけど、少しよかった部分を大事に、そこをふくらませていきたい」。思い出しつつある感触を、ここから染み込ませていきたい。
 
順位も初日の92位タイから、トータル6アンダーの9位タイまで上げ最終日を迎える。今季の自己最高位は17位。「結果目標はトップ10に入れるように。行動ではリズムを変えないこと」。渋野日向子とともに回る残り18ホールでも、小気味よくバーディを積み上げていく。(文・間宮輝憲)

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