「それはローリーに聞くべき…」 “メジャー男”ケプカに集中した『LIVの未来』を問う質問

<全英オープン 事前情報◇18日◇ロイヤル・リバプールGC(イングランド)◇7383ヤード・パー71>

2022年にLIVゴルフへ移籍しながらも、今年5月の「全米プロゴルフ選手権」では同大会3度目の制覇を成し遂げたブルックス・ケプカ(米国)。ゴルフ界になにかと話題を提供してくれる33歳は、20日(木)にロイヤル・リバプールGCで始まる大会で日本のエース・松山英樹と、世界ランキング4位のパトリック・キャントレー(米国)との組み合わせが決まった。
ケプカは若いころに欧州チャレンジツアーや、欧州(現DPワールド)ツアーで研鑽を積み、14年には「トルコ航空オープン」で同ツアー初優勝。そこから米国男子ツアー(PGAツアー)へとステップアップを遂げている。加えて、幼いころに「セントアンドリュース、カーヌスティ、キングスバーンでプレーした」というように、英国のリンクスコースも体験している。

そして先のとおり、大学卒業後に欧州へと渡り、12年から欧州のチャレンジツアーでプレーを開始。自身が「リンクスゴルフと相性がいい」と胸を張るとおり、過去8度出場している全英オープンでも4回にわたりトップ10入りを果たすことができているのである。

得意にする理由として、「(コース上で)色々なショットを連想できる自分の想像力のおかげだと思う。スティンガーショットを打つのが好きだけど、それはおそらく私が自分のショットを見せつけようとしているからかもしれない」と自身のゴルフを分析する。

17年、18年の全米オープン連覇を含むメジャー5冠の肩書を持ち、今大会でも優勝候補の一人であるそんなケプカだが、18日(火)に行われた大会前記者会見で寄せられた記者陣から質問のほとんどが、大方の予想どおりLIVゴルフ関連のものだった。より正しくは、LIVのスポンサーを務めたサウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド」と、PGAツアー、DPワールドツアーの統合決定による余波、さらには今後のゴルフ界に及ぼす影響についてだった。

なかでもケプカが特に表情を硬くしたのが、アンチLIVの代表的な旗手とも呼ばれるローリー・マキロイ(北アイルランド)や、PGAツアーで活躍する選手たちとの、将来的な関係性についての質問である。「その質問は彼らにすべきだ。ローリーに聞くべきだろう。分からないし、彼の代弁はできない」と落ち着いた口ぶりとは裏腹に、険しい顔で語った。

「ローリーと私は、たぶんここ1年間くらい、もしくは過去数カ月くらいかもしれないが、腹を割って話してきた。誰もが、自分の個人的な意見を持っている。だけど現時点では、詳しい情報を持っていない。だからどのように感じるべきかも、考えるべきかも分からない。今後数カ月間で決まっていくだろう」

その後も重ね重ねぶつけられるこれらの質問に対して、明らかに辟易しているようだったが、それでも、一つひとつ辛抱強く答えていた。一方で、「新興ツアーであろうと、伝統的なツアーであろうと、ゴルフコース上こそが自分の居場所である」という、強い意識が感じられる。

「メジャー大会に滅法強い男」との異名を持つケプカは、果たして実力で周囲の雑音をシャットアウトできるか。松山と同組の注目グループの初日は、現地時間午前9時36分(日本時間20日午後5時36分)にスタートする。

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