大谷翔平が教えてくれている『スポーツの力』の大きさ プロの世界に身を置くものは、その大きさを理解する必要がある【原田香里のゴルフ未来会議】

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。今日は『スポーツの力』についてお話ししたいと思います。いいプレーをしてみなさんに観ていただくことが、プロアスリートの一番の仕事です。観てくださる方、応援してくださる方なしには成立しない仕事です。
一方で、観戦を楽しんでいただくことが、観てくださった方のパワーになるという部分もあります。MLBで大活躍している大谷翔平選手について考えてみるとわかりやすいですね。投手として今季これまでに7勝を挙げ、ホームランは30本(6月30日現在)。6月のベストナインにア・リーグの指名打者として選出もされました。二刀流で素晴らしいプレーをしているのは、みなさんご存じのとおりです。
 
開幕前には、日本代表の一員としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場。チームを牽引して、優勝に導いたときの感動は、まだみなさんの記憶に新しいはずです。ドキュメンタリー映画にもなっていますが、あれを観て元気になった方、希望を持った方、日頃、抱えているうっぷんを吹き飛ばした方など、たくさんいらっしゃったと思います。
 
あこがれたり、夢を見たりもしたことでしょう。さまざまな形で大谷選手がみなさんにくれるパワーこそ、『スポーツの力』のひとつの形なのだと思います。
 
観ていただくことで、みなさんに喜んでいただくという意味では、プロアスリートや、アマチュアでもトッププレーヤーのそれは、芸能人の方などと似た部分がありますね。
 
オリンピックの種目になったりすることで、そのスポーツに対する理解が深まったり、プレー人口が増えたり、ファンが増えるというのは、その種目にとってありがたい話です。プレー人口が増えれば、環境がよくなるケースも多く、そのスポーツの将来を担っていく人材も集まりやすくなります。育成のために必要なお金も集まりやすくなります。
 
ゴルフの場合、どうしても観る楽しみよりプレーする楽しみのほうが取り上げられがちですが、私たちプロゴルファーにとっては観るスポーツとしての魅力も、もっともっと多くの方に知っていただきたいところです。
 
MLBや日本のプロ野球ファンがみんな、自分で野球をするわけではないし、サッカーファンも同様でしょう。大相撲などはもっとそうなのではないかと思います。ファンの多くがプレーヤーであるというのは、ゴルフ特有の状況です。
 
でも、そうではなくて、ゴルフはあまりプレーしないけれど、〇〇選手が好きだから観るのは好き、というような方が増えてくれるのもうれしいですね。
 
「プレー中は歯を見せるな」と言われたのは、私の先輩たちの世代だと思います。さすがに私の頃はそれほどではありませんでしたが、それでも、プレーに集中すると笑顔どころではありませんでした。また、紫外線が目に悪いという理由でサングラスをかけ始めたときには、間接的に批判を受けたこともありますが、今では当たり前のことになり、上手にかけたりはずしたりする選手も増えています。
 
さまざまな意味で時代は変わりました。最近では、打っている瞬間は別にしてプレー中も笑顔を見せる選手もどんどん増えています。笑顔でプレーすることが、観ている人を笑顔にしてくれることも多く、遅ればせながら「笑顔は大事だな」と、改めて感じています。
 
今季好調の岩井姉妹などは、優勝争いの場面でも、お客さんを意識してプレーしていることをたびたび口にしています。観ている方に楽しんでいただこうとする気持ちが、同時にプレーヤーの感情をコントロールすることにつながったり、エネルギーになったりするのでしょう。
 
『スポーツの力』は、想像以上に大きいものです。私たちプロゴルファーのように、プロスポーツの世界に身を置く者は、そのことをしっかり理解する必要があります。ありがたいことに、女子ツアーの人気は高まっていますが、人気が出れば出るほど、影響力も大きくなります。観てくださる人たちに感謝し、意識することで、さらにその力がプラスに働くようになれば、誰にとってもハッピーになるでしょう。

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