日本ツアー引退までラスト3試合のイ・ボミ 「試合に向けて練習できることが楽しい でも恥ずかしさも…」

<アース・モンダミンカップ 事前情報◇20日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6650 ヤード・パー72>
 
今季限りで日本ツアーからの引退を表明しているイ・ボミ(韓国)。残りの試合は、22日に開幕する「アース・モンダミンカップ」、ともに10月開催の「スタンレーレディスホンダ」、「マスターズGCレディース」の 3戦のみ。これまでに出場した試合で思うようなプレーができず、時折苦しげな表情を見せるボミに対して、僭越ながらもっと試合を楽しんでほしいと伝えたところ、競技者としての譲れない思いを語ってくれた。
「(日本ツアーから引退すると)真剣に練習する時間がなくなってしまう。だから、試合に向けて練習できることを楽しんでいますよ。やっぱり試合で結果を残したいから、そのために一生懸命練習している」と笑顔を見せる。こちらが思っている以上に、残り少ない日本ツアーでの戦いに真っすぐ取り組んでいた。
 
続けて、「試合数が少なくなるなかでうまくいかないと、やっぱり楽しむのは難しい。もともと試合を楽しむというタイプではなく、うまくいっていたから笑えていた感じですかね」と話す。
 
試合を楽しめない要素は他にも。「ショットが恥ずかしいです。恥ずかしすぎて自分が」と、照れ笑いを浮かべる。「それがなければ、もう少し楽しめるかな。それくらいひどい私がいます」と、賞金女王を獲得した頃の“ミスをしない”ボミからは想像もできない発言。「フィニッシュがつかめたらいいんですけど、それがずっとできない」と、もどかしさを吐露した。
 
狙ったところに、前後左右ブレなくショットすることが当たり前だったボミにとって、小さなミスも大きなストレスになっている。「次はどうやってショットしたほうがいいのか」を考えすぎる結果、ボミの代名詞でもある笑顔が影を潜めてしまっているのだろう。
 
日本ツアー引退試合が決まっている状況で、「もっと気楽にプレーすればいい」と多くの人に言われているという。しかし本人は、目の前の一打にかける思いは全盛期に劣らず強くある。それが2015、16年と2年連続で賞金女王に輝いたボミのプロゴルファーとしての矜持なのだ。
 
「サントリーレディスもそうでしたが、今年は好きなコースでの試合の推薦をいただいた。やっぱり4日間出来ないのがね……それでも笑います! 恥ずかしくても!」と、悔しそうな表情のあとに、ボミらしい笑顔で答えてくれた。競技者として、1打でも上のスコアを追い求める姿勢は、賞金女王に輝いたときも、日本ツアーからの引退を表明した今も変わらない。そんな彼女に、ゴルフの女神が微笑んでくれないだろうか。(文・杉本夏希)

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