
<ニチレイレディス 2日目◇17日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6621ヤード・パー72>
“因縁の対決”が最終日最終組で実現する。トータル14アンダーで単独トップに立つ山下美夢有は、「一緒にプレーオフもしましたけど、飛距離も出ますし、精度も高い。ついていけるように頑張りたいなと思います」と、明愛(トータル10アンダー・2位)、千怜(トータル8アンダー・3位)の岩井姉妹と回るラスト18ホールに気合を込めた。
7アンダーをたたき出し、単独トップで滑り出した初日のラウンド後にはショットへの違和感を口にし、“特打”も敢行。「昨日に比べてだいぶよくなってきているかなと思ったんですけど、なかなか縦距離が合わずに…」とまだ本調子とはいえないようだが、それでも2日続けて「65」を並べるのだから驚きだ。コーチを務める父・勝臣さんからは「体の開きが早いと言われたので、そのリズムと体のタイミングを合わせて打つ練習をしてました」とアドバイスももらった。そこを意識してプレーを続ける。
“史上初の姉妹最終日最終組”で沸きそうな一日を迎える。この構図といえば、5月の「RKB×三井松島レディス」でのプレーオフが思い出されるが、その時、山下は妹の千怜に敗れ悔し涙を流した。リベンジマッチの様相も呈するが、本人は「プレーオフの時のほうが姉妹と一緒にというのが不思議な感じだった。今回は2回目なので、普段通りかな。勢いがある選手だと思うので、しっかりついていけるように頑張りたい」と繰り返し、あくまでも静かに決戦の時を待つ。
このプレーオフは母の日に行われた。悔し涙は、母・有貴さんへの質問が出た際に流したものだった。そして今回は父の日に直接対決が実現。これも何か因縁めいたものを感じさせる。すでに2日目から両親がそろって観戦。昨年“母の日V”を達成した山下にとって、女王に導いてくれた父にも最高のプレゼントを贈りたい。
今季3勝。すでに先週を終えた時点で、獲得賞金も1億円を突破した。しかしこれについては「私は毎試合どう戦うかっていうふうに考えてるだけなので、それが結果につながっているだけ。お金のことはあまり考えてないです」というだけ。ストイックさもうかがわせる。現在メルセデス・ランキングでも1位を快走する女王が、最強姉妹を迎え撃つ。