
<マイヤーLPGAクラシック 事前情報◇14日◇ブライズフィールドCC(米ミシガン州)◇6638ヤード・パー72>
今季11戦でトップ4が5回と好調の古江彩佳に知られざる意外な一面があった。古江といえば練習ラウンドから大会期間中までコースヤーデージブックにメモを書き書きする姿が有名だが、それらは今年の会場には持ち込まれていない。ぎっしりと書き込まれた内容は、あくまでも“去年のもの”と過去は振り返らない。
「終わったことは記憶から出て行くタイプなので」と頭のなかは常にアップデート。「ヤーデージブックに書いていることは(今年のものに)写さない。今年は今年のコースになっている感じがするし、去年収集したものより今を感じたほうがいいという感じです。持ってきません(笑)」と、全集中で練習ラウンドを行い、記憶をリフレッシュするのが古江流だ。
古江自身は「覚えが悪いほうなので、覚えられないです」というが、これは覚えようとしていないからかもしれない。天候、自分の調子、自分の力量、コースのコンディションなど、不確定な要素が多いなか、これは理にかなっている。“去年はこうだったから”といった情報が、“今”を邪魔することはない。
古江は常に楽しんで、ベストを尽くすことを心がけている。次週からはメジャー2連戦が待とうと、世界ランキングで日本勢最上位が目の前になろうと、年間のポイントレースで3位につけようが、今を生きるのが古江。そう考えれば、今週の目標に掲げる「その日に自分が対応できればな」という言葉も納得だ。
「できることに集中して、また上位で争えたらうれしいなと思います」。今季初優勝、米ツアー2勝も視界にちらつくなかでも、古江スタイルは変わらない。(文・高桑均)