日本のファンへ、イニエスタの恩返し「この5年間の経験は人生の一部になった」

 ヴィッセル神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが6日、国立競技場行われた“古巣”バルセロナとのフレンドリーマッチを終えて記者会見に出席。この試合を終えての心境に加え、日本での5年間を振り返りファンへの感謝を口にした。

 7月1日に行われるJ1第19節の札幌戦を最後に神戸からの退団が決まっているイニエスタは、古巣との一戦にスタメン出場。生まれて間もない自身の子供と共に入場し、81分にピッチを後にするまで随所で技術の高さを見せつけ、攻撃を牽引した。

 試合後、記者会見場に姿を見せたイニエスタは、開口一番「こんばんわ、皆さん」と日本語で挨拶し、「このスタジアムでバルサと試合ができたのは特別なことですし、自分にとってもピッチに立ってプレーを楽しむことができたという意味で、すべてが良い一日になったと思います。ファンの皆さんにも喜んでもらえたのではないかと思います」と現在の心境を口にした。

 交代でピッチを去る際にはバルセロナのチャビ・エルナンデス監督とも抱擁。共にバルサで黄金時代を築いた“盟友”との会話については、「監督からは、親しみを持って自分のことや、自分にとって大切なこの場にいられることを喜んでくれた。自分としても、この特別な日にバルサの皆んなが来てくれたことへの感謝を告げました」との内容を明かし、「強行スケジュールの中で来てくれたことに心から感謝しています」と、24時間も経たないうちに帰国する古巣に感謝した。

 また、この試合で一番印象的なシーンを問われると、「すべてが素晴らしかったです。この試合は日本のサッカーファンへのお別れを告げる場だったし、皆さんが自分に示してくれた愛情とリスペクトへの恩返しの場と考えていたので、それが達成できて、とても喜んでいます」と応じ、笑顔を見せた。

 そして、「日本に来て何を残せたと思うか」という質問に対しては「何を残せたかはわからないけれど、少なくとも自分が残そうと思ってきたものは、ピッチ内外で自分のサッカーに対する情熱やリスペクトの気持ちに従って、すべてを出し尽くすよう心掛けてきましたし、それがファンの皆さんに伝わっていれば。ファンから感じているリスペクトや愛情への恩返しとして伝わっていればありがたいですし、自分に対して良い思い出だったりを残してくれていれば嬉しいなと思います」との思いを語った。

 試合後には、場内を回った際に目に涙を浮かべる場面も。その時の感情について、イニエスタは「皆さんから感じてきたリスペクト、素晴らしい扱いをずっと受けてきました。この5年間の経験は人生の一部になっています。それを思い返すと、特別な感情が込み上げてきました」と感慨深げに話した。

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