モウリーニョ監督の“不敗神話”が途絶える…自身6度目の欧州カップ戦決勝で初黒星

 ヨーロッパリーグ(EL)・決勝戦が5月31日に行われ、ローマ(イタリア)はセビージャ(スペイン)にPK戦の末に破れた。この結果を受けて、ジョゼ・モウリーニョ監督の“不敗神話”が崩れることとなった。

 試合は35分、敵陣中央でルーズボールを拾ったイタリア代表DFジャンルカ・マンチーニが中央を割るスルーパスを通すと、抜け出したアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラが左足でゴールネットを揺らし、ローマが先制に成功。だが、55分にはセビージャの元スペイン代表DFヘスス・ナバスの放ったクロスボールがオウンゴールに繋がり、試合は振り出しに戻った。その後は両チーム悪くない場面を作りながら追加点を挙げられず、120分間の戦いを終えてPK戦に突入。後攻だったローマは1人目のキッカーを務めたイタリア代表MFブライアン・クリスタンテこそゴールネットを揺らしたが、以降は2名が連続して失敗。対するセビージャは3人目まで全員が成功させると、4人目のキッカーだったアルゼンチン代表DFゴンサロ・モンティエルが蹴り直しとなったPKを落ち着いて決め、試合はタイムアップ。セビージャが3シーズンぶり7度目のEL制覇を成し遂げていた。

 ローマを率いるモウリーニョ監督は、過去にUEFA(欧州サッカー連盟)主催コンペティションで5度の決勝戦を戦い、すべての試合で勝利していた。だが、6度目の挑戦となった今季はELの“盟主”であるセビージャにあと一歩のところで敗北。モウリーニョ監督の“不敗神話”はここで途絶えることとなった。

 モウリーニョ監督が初めて欧州カップ戦の決勝戦に駒を進めたのは、監督キャリア初期の2002-03シーズン。当時ポルトを率いてUEFAカップ(現:EL)決勝戦を戦い、延長戦の末にセルティック(スコットランド)を3-2で下した。翌2003-04シーズンはチャンピオンズリーグ(CL)に参戦。決勝戦ではモナコ(フランス)を3-0で破り、ポルトを17シーズンぶり2度目となる“欧州制覇”へ導いていた。

 チェルシー時代にはCLでベスト4を超えられなかったが、インテルの指揮官に就任して2年目の2009-10シーズンにはCL決勝戦でバイエルン(ドイツ)を2-0で撃破。マンチェスター・Uを率いていた2016-17シーズンにはEL決勝戦でアヤックス(オランダ)を2-0で退け、クラブに初のELタイトルをもたらした。

 そして、5度目の欧州カップ戦決勝戦を戦ったのは昨シーズンのこと。ローマの監督就任初年度となった同シーズンは、新設されたヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)で決勝戦に進出した。フェイエノールト(オランダ)との一戦では、32分にイタリア代表MFニコロ・ザニオーロ(現:ガラタサライ)が挙げたゴールを守り切って1-0で勝利。ローマにUEFA主催コンペティション初タイトルをもたらしていた。

 モウリーニョ監督がこれまでに戦ってきた欧州カップ戦決勝戦は下記の通り。

モウリーニョ監督が戦った欧州大会の決勝戦
▼1度目
年度:2002-03シーズン
クラブ:ポルト
大会:UEFAカップ(現:ヨーロッパリーグ)
対戦相手:セルティック
試合結果:○3-2

▼2度目
年度:2003-04シーズン
クラブ:ポルト
大会:チャンピオンズリーグ
対戦相手:モナコ
試合結果:○3-0

▼3度目
年度:2009-10シーズン
クラブ:インテル
大会:チャンピオンズリーグ
対戦相手:バイエルン
試合結果:○2-0

▼4度目
年度:2016-17シーズン
クラブ:マンチェスター・U
大会:ヨーロッパリーグ
対戦相手:アヤックス
試合結果:○2-0

▼5度目
年度:2021-22シーズン
クラブ:ローマ
大会:ヨーロッパカンファレンスリーグ
対戦相手:フェイエノールト
試合結果:○1-0

▼6度目
年度:2022-23シーズン
クラブ:ローマ
大会:ヨーロッパリーグ
対戦相手:セビージャ
試合結果:●1-1(PK:1-4)

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