ヨーロッパリーグ（EL）・決勝戦が5月31日に行われ、セビージャ（スペイン）がローマ（イタリア）をPK戦の末に下し、大会史上最多7度目の優勝を果たした。試合後、セビージャのモロッコ代表GKボノ（ヤシヌ・ブヌ）が会見に臨んだ。
試合は35分にローマのアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラに先制ゴールを許したが、55分にオウンゴールでセビージャが同点に追い付く。その後は120分間を通して追加点が生まれず、試合の決着はPK戦に委ねられた。このPK戦で躍動したのがセビージャの“守護神”。後攻だったローマ2人目のキッカー、イタリア代表DFジャンルカ・マンチーニのシュートはゴール正面へ向かったが、横に飛んでいたボノが足を残して弾き出す。3人目のブラジル代表DFロジェール・イバニェスのゴール左下を狙ったキックに対しては、鋭い読みを見せて指先にボールを当て、シュートはポストを叩いた。対するセビージャは4人目のキッカーを務めたアルゼンチン代表DFゴンサロ・モンティエルに蹴り直しがあったものの、最終的には4人全員が成功。ボノの躍動もあり、セビージャが3シーズンぶり7度目の優勝を決めた。
試合を通して好セーブを見せていたボノは、今季のEL決勝戦のプレイヤー・オブ・ザ・マッチ（POTM）に選出。UEFA（欧州サッカー連盟）のテクニカル・オブザーバー・パネルは「間違いなく、彼のPKストップが試合結果に多大な影響を与えた」と称えている。
スペインメディア『アス』は会見におけるボノのコメントを伝えた。「目標を達成したい時、どれほどの時間プレーするのかはさして気にならないものだ。ユヴェントス戦で120分間を戦い、今日もこの場に辿り着いた。本当に信じられないね。選手たちはただただ必死に走り続けたんだ」とチームメイトを称賛。加えて、緊張感のある舞台でのメンタル面にも触れている。
「僕はこれまでに何度かこのような場面に遭遇してきた。それを経て気が付いたことは、常に冷静であるべきだということだ。チームメイトも僕に落ち着きや安心感を与えてくれたし、だからこそ難しい状況にも対処できたと思う」
3シーズンぶり7度目のEL制覇を成し遂げ、ボノはセビジスタ（ファン・サポーターの愛称）に向けて「『おめでとう』という言葉を贈りたい」とコメント。今季はFIFAワールドカップカタール2022でモロッコ代表のアフリカ勢初となるベスト4入りに貢献したが、セビージャでは一時的にベンチを温める期間が続いたこともある。「ワールドカップから今日に至るまで、多くの感情があった」と振り返ったボノは、自身の心境を明かすとともに、セビージャへの愛情を語っている。
「時々、何が起こっているのか理解できないこともある。それでも、常に不変だったのは僕がこのクラブの人間であるということだ。『セビージャを守る準備は常にできている』と言ってきた。（ホセ・ルイス・）メンディリバルは僕を信頼してくれたから、最大限その信頼に応えなければならなかったんだ」
今季のセビージャはラ・リーガで残留争いに巻き込まれる苦しいシーズンを過ごしたが、これで来季のチャンピオンズリーグ出場権を獲得。今季のラ・リーガ最終節は6月4日に行われ、セビージャは敵地でレアル・ソシエダと対戦する。
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