海外シニアメジャー10位の宮本勝昌の手応え 「レギュラーでいい成績が残せれば、向こうでも上位に行く」

<BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 事前情報◇31日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇7430ヤード・パー71>
 
前週の海外シニアメジャー「キッチンエイド 全米プロシニアゴルフ選手権」で10位タイに入った宮本勝昌。火曜日に帰国すると、水曜日には国内メジャーが行われる宍戸ヒルズに姿を現した。
昨年はシニアとレギュラーで15連戦した鉄人ぶりは今年も健在。練習グリーンでは2週後の「スターツシニア」でシニアデビューを迎える片山晋呉と談笑する場面も。片山とは水城高校、日大で同じ時間を過ごし、35年以上をともに日本のトップで戦ってきた仲だ。
 
宮本にとって前週のシニアメジャーは、2010年8月の「WGC-ブリヂストン招待」以来、およそ13年ぶりの米国での試合。「アメリカ好きなので楽しかったです」と疲れも見せずににこやかに話す。全米プロシニアでは予選ラウンドを単独2位で通過し、3日目にはともにメジャータイトルホルダーのスチュワート・シンク(米国)とパドレイグ・ハリントン(アイルランド)と最終組を回った。
 
決勝ラウンドに入ってから、3日目に「74」で8位タイに後退したものの、最終的に初めてのシニアメジャーでトータル7アンダー・10位タイ。これで来年の同大会への出場権も得た。「結果が出れば楽しいですし、もちろんまた向こうでやりたい。欲を言えば、年に4、5試合行きたいですね。日本のシニアで頑張って、ランキング上位に行くと、ほかの全米シニアオープンとかにも出られるので」。
 
宮本は45歳以上のレギュラーツアー優勝者(19年中日クラウンズ)に与えられる権利で、今年の全米プロシニアに出場。また、国内シニアツアーで賞金ランキング10位以内の上位2名の資格で、翌年のシニアメジャー「全英シニアオープン」、同4位以内の資格で全米プロシニアと「全米シニアオープン」の出場権が得られる。同じチーム・セリザワの藤田寛之は、昨年の国内シニアで賞金ランキング2位に入り、6月の全米シニア、7月の全英シニアへの出場が決まっている。
 
実は宮本は1999年に米国男子ツアーに参戦している。そのときは22試合に出場して予選通過は8回、トップ25は3回で賞金ランキング170位だった。「若いときに1年間だけアメリカにいったときのメンバーがいるので、そのときよりは何とかなるんじゃないかという気がします。向こうが落ちてきていると僕は思っています」。今回、久しぶりに米国で戦い、世界との差は詰まっていると感じている。
 
それには日本のレギュラーツアーで、50歳になってもシードを維持している自負もある。「日本のレギュラーツアーはレベルが高いと思っている。このなかでいい成績を出せるゴルフだったら、当然アメリカのシニアでも上位にはいくと思っています」。だからといって、10位という成績に満足しているわけでもない。「今回は3日目の一瞬までしか上位争いできなかったので、最終日まで上位争いできるようにいきたいですね」と考えている。
 
昨年9月の「コマツオープン」でシニアデビューしてから、「同一年でレギュラーツアーとシニアツアーの優勝」を目標に掲げて両ツアーを戦ってきた。これまでそれを達成したのは、杉原輝雄、金井清一、中嶋常幸、プラヤド・マークセン(タイ)の4人しかいない。
 
昨年はレギュラーツアーの「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」と「パナソニックオープンゴルフ」で3日目に首位に立って優勝にあと一歩と迫った。シニアツアーで勝つのは時間の問題と言われている。今回、海外シニアメジャーで好結果を残したことで「シニア、レギュラー、アメリカシニアっていういっぱい選択肢を自分のなかでつくっていければいいなと思います」と“楽しみ”がさらに増えた。
 
全米シニアプロは井戸木鴻樹が13年に制しており、日本人が海外メジャーで勝てることを、松山英樹よりも前に示している。「当然アメリカもどんどんすごい選手がシニアに来ますし、フル参戦したら本当に苦しいと思うんですけど(笑)、スポットだったらいいほうに転がれば、今回みたいなこともある」と宮本は話す。
 
そして、今週の国内メジャーの初日は、高校と大学の同級生、片山との組み合わせで午前10時8分にスタートする。「シンゴは(海外シニアメジャーに)すごく興味があると思うし、あいつが一番刺激というか気にもなっていただろうし、またちょっとやる気が出たんじゃないですか」。若手が次々と台頭するレギュラーツアーで、50歳の2人のプレーにも注目したい。(文・下村耕平)

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