「初日の5番からイメージを変えた」2週連続V狙う平田憲聖のショット修正力

<BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 事前情報◇31日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇7430ヤード・パー71>

前週の「〜全英への道〜ミズノオープン」で同い年の中島啓太とのプレーオフを制して初優勝を遂げた22歳・平田憲聖。今季最初のメジャーで2週連続Vを狙う。
優勝した直後から「何百件って連絡をいただきました」と祝福のメッセージや電話が続いた。そのなかでもうれしかったのは、この春まで在籍した大阪学院大学の同級生からの電話だった。「泣いて『おめでとう』って言ってくれて。本当は僕が泣く側だと思うんですけど(笑)。いま彼はプロの道には進んでないんですけど、そこまで思ってもらえてすごくうれしかったですね」。

平田が大学生プロとして歩み始めた昨シーズン、実は一番良い成績を収めたのは今大会。トータル6アンダーで7位タイに入った。昨年唯一のトップ10入りで、これを足がかりに賞金ランキング58位で初シードをつかんでいる。「このコースはセカンドショットも難しいんですけど、やっぱりティショットがけっこう鍵になってくると思う。ティショットを真っすぐ飛ばすという部分で自分には向いているのかなと思います」と、得意意識を持っている。

思えば前週のプレーオフ。左サイドに池が配された18番パー5で、3度打ったティショットはいずれもドライバーだった。「風が右からだったので、ちょっとフェードで風に当てて、つかまったらフェアウェイ、曲がったままなら右ラフ」と考え、1度目はフェアウェイに、2、3度目は右ラフにしっかりと運び、勝利をつかんでいる。結局3ホール目で中島が先に左の池に打ち込んで、平田に軍配が上がった。

そんな平田だが「先週は初日から良くなかった」とショットには違和感があった。初日は10番スタートでハーフターンした後「5番ホールからイメージを変えた」と明かす。

「(5番までは)ちょっとごまかしながらやっていた。5番ホールからもう少し右側でタメを作るというか、逃げないように、ちょっと残すみたいな。ボールがつかまるようにインサイドから入れるイメージを強くしたんです。インパクト後に抜けていく球も見ている感じ」。そのショットの修正が功を奏し、6、8、9と上がり4ホールで3バーディを積み重ねて、初日を2位タイの好位置で終えることができた。

それだけではない。「ちょうどそのときに谷原(秀人)さんと回っていて、谷原さんのテークバックも参考にしたんですよ」とサラッという。「僕が見た感想なんですけど、谷原さんはサッと上げて打つような感じで、ちょっと試してみようと。それまではワッグルをやってポジションを探していたんですけど、持つと肩に力が入っちゃうので、ヘッドを置いて整えて、サッと打つようにしたんです」

プロゴルファーでも、いやプロゴルファーだからというべきか、始動を変えて打つのはかなりの変化だが、すぐに取り入れて初優勝まで果たしてみせた平田。「大きく握り方を変えたりはしないんですけど、頭のなかでは毎週けっこう変えて打っている」と、もはや当たり前の作業となっている。高校2年生から現在まで特定のコーチはつけておらず、「自分で考えた方がすんなり入ってきて直せるんですよ」と話す。この5年以上の間、自分で試行錯誤してきた経験と同時に、試合中の修正力も身につけていったのだろう。ずっとコーチ任せだったら、先週の優勝はなかったかもしれない。

平田には持ち前の修正力に加えて、力強い味方もいる。ハウスキャディの上田喜久江さんだ。昨年はこのコンビで7位タイに入った。「もともと違う方に担いでもらう予定だったんですけど、急きょ来れなくなってしまった。コースの方に聞いたら、去年のキャディさんでも大丈夫ということだったので、今年もお願いしようかなと」と再タッグが実現。1年経ってたくましくなったところを宍戸ヒルズで披露したい。(文・下村耕平)

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