“あやたん節”もさく裂! 木下彩は初の海外メジャーに「渋野のイメージしかない」

<全米女子オープンゴルフ選手権最終予選◇29日◇房総カントリークラブ房総ゴルフ場・東/西コース>

最初のきっかけは「ただただ興味本位」だった。海外メジャー「全米女子オープン」(7月6日開幕、米カリフォルニア州)の出場権を争う日本最終予選会で、木下彩が出場権を手にした。
レギュラーツアー7週連続予選落ちで迎えた予選会。「ほんと、いいところが全くなかった」というこれまでだったが、クラブをドライバーからアイアンまで一新させるなどしたことで「先週くらいから調子が上がってきた」と手応えを感じ始めていた。そしてこの日については「いままで運がなかったところや、入らなかったバーディパットがきょうになって入ってくれた。ためていたのかな?」とあっけらかんと笑う。

1日36ホールの長丁場では、6アンダーで最終ホールに入ると5メートルのバーディパットを残した。そして覚悟を決める。「キャディさんと『6(アンダー)は通れない』となったので、がっついて、何メートルでもオーバーしていいから」と、ラインを浅く読み、強く打ち出した球を、カップのふちをくるりと1周させてねじ込んだ。これでトータル7アンダー。3位で通過した。

1999年1月生まれの黄金世代で、畑岡奈紗らを筆頭とする最強世代のひとり。山口県出身の木下は、同じ中国地方・岡山県生まれの渋野日向子の“親友”ということでも知られており、「渋野」、「あやたん」と呼び合う仲だ。ユニークな表現力の持ち主で、この日も“あやたん節”は止まらない。

本戦が行われるペブルビーチ・ゴルフリンクスは名門で、米国男子ツアーも行われる西海岸のリンクスコース。もともとあまり興味がなかったというが、「キャディさんもすごい行きたそうだったので『じゃあ(出よう)』って。みんなも盛り上がっていたので」と、最初は周りに引っ張られてのエントリーだった。だが、それがまさかの現実に。「信じられない」とまさに無欲でつかんだ切符だった。

楽しみにしているのは、ぺブルビーチという舞台よりも賞金のこと。「上がったと聞いた。いままでにない額じゃないですか。試合で頑張って、もうお金ですね、お金欲しい(笑)」。総額1000万ドル(約14億円)という破格の賞金に狙いを定めて、ニンマリとする。

初めてとなる海外メジャーについては「渋野のイメージしかない」。2019年の「AIG女子オープン」を制して大ブレイクした親友を思い浮かべる。「全英で勝って、同級生でバーンっていっちゃって。いまじゃご飯も誘いにくい(笑)」と冗談交じりに笑う。そんな渋野との競演となりそうだが、海外で大躍進したシンデレラガールのように、旋風を巻き起こしてほしい。(文・笠井あかり)

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