仙台vs川内 新幹線2つの”せんだい駅”のカオス「仙台にも川内駅がある」!? 駅員は大丈夫なのか

新幹線にふたつの「せんだい駅」があります。ややこしくならないのでしょうか。また歴史を紐解くと、地名には意外な事実が分かってきます。

同じ読み方の駅 新幹線で唯一のパターン

 日本の新幹線駅の中で、「せんだい」という駅名は2つあります。宮城県の東北新幹線・仙台駅(1982年開業)と、鹿児島県の九州新幹線・川内駅(2004年開業)です。 このような「同じ読みで漢字が違う駅」は、在来線では田端駅と田畑駅、高槻駅と高月駅など数多くありますが、新幹線では唯一のケースです。

 在来線の仙台駅は1887(明治20)年、川内駅は1914(大正3)年に開業。後者は当時「川内町駅」でした。1940(昭和15)年の市制施行とともに「川内駅」へ改称していますが、この際「仙台と被るから薩摩川内駅にしよう」とはなりませんでした。漢字が違う場合は、旧国名を付けて区別する習慣は特に無かったようです。 市名は長らく「川内市」で、現在の「薩摩川内市」は2004年、平成の大合併で誕生しました。9つもの市町村による合併であり、特定の自治体がそのまま反映されるのは対等ではないという空気もあったことから、川内に旧国名を冠したのです。新市名の決定は、九州新幹線の開業のわずか3か月前。急すぎるせいか、やはり「この機会に駅名も薩摩川内に変更しよう」とはなりませんでした。 ところで「せんだいまでの切符をください」と言われて、窓口は間違えたりしないのでしょうか。JR東海の広報部は「新幹線利用の場合、発券前に自由席なら『九州新幹線で川内駅まで』、指定席なら『さくら555号』など、経路や列車の確認が行われます」と話します。「きっぷの場合も、長距離になると経路の指定が必要になるため、そこでどちらの駅のことか特定できるかと思います。また、発券後きっぷをお渡しする際に、きっぷの記載内容をお客様と確認しますので、間違った行先のままになることは考えにくいです」(同)。 

仙台地下鉄にも「川内駅」がある!?

 さらにややこしいことに、仙台市地下鉄東西線には「仙台(せんだい)」と「川内(かわうち)」の両駅があり、もはやカオスです。しかも、地名の「仙台」は、もともとこの「川内」が発祥とされているのです。 中心市街の西側に広がる青葉区川内(かわうち)は由緒あるエリアで、戦国武将・伊達政宗の居城「仙台城(青葉城)」があり、周囲には青葉山公園、東北大学川内キャンパスもあります。川内の“川”は広瀬川のこと。この川は長い長い峡谷を越えて市街地の平野部に達すると、河川勾配がゆるくなり、行き場を失って蛇行し時には氾濫します。このような土地が「川内」(かわうち、せんだい)と呼ばれました。中世になり、縁起のいい名前として地名には「仙台」の字が、城名には「千代」の字があてられたといいます。「千代」の文字もまだ現役で、国道4号が広瀬川を渡る橋は1965年に「千代大橋(せんだいおおはし)」と命名されています。

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