新幹線「大宮駅始発・終着列車」拡大のカギは「貨客混載」? 6月に臨時列車で復活へ

現在、JR東日本の新幹線で大宮駅を始発・終着駅とする列車はありません。臨時列車では設定されたことがある大宮駅発着の新幹線ですが、今後の拡大のカギは、JR東日本が注力している新幹線荷物輸送かもしれません。

「貨客混載」の「大宮行き」臨時を運行へ

 1982年に開業した東北・上越新幹線は当初、大宮駅始発で運行されていました。その後、東京駅まで路線が延伸されたため、現在は大宮駅を始発・終着駅とする列車はありません。臨時列車では設定されたことがある大宮駅発着の新幹線ですが、今後の拡大のカギは、JR東日本が注力している新幹線荷物輸送かもしれません。

 駅があるさいたま市は毎年、「国の施策・予算に対する提案・要望」の一環として、国土交通省に「新幹線の大宮駅始発復活に向けた支援」を要望しています。  大宮駅始発の臨時列車は、2017年度に6本、2018年度に13本、2019年度に20本、2020年度に13本が運行された実績があります。特に、大宮を6時ちょうどに発車し、新函館北斗に9時41分に到着した「はやぶさ101号」は、到着地での滞在時間を長くとることができ、利便性が高い列車でした。  その後はコロナ禍もあり、大宮発着の列車は設定されていません。通常の東京発着の列車と比べると訴求力が落ちるため、臨時列車も基本的に東京発着で運行されているのが現状です。  ただ、JR東日本の新幹線は、コロナ禍による減便もありましたが、利用は戻りつつあります。さらに今後、北陸新幹線の敦賀延伸、北海道新幹線の札幌延伸により、東京~大宮間の線路容量が逼迫することが懸念されます。  そうした中、2023年6月16日に新青森発大宮行き臨時列車「はやぶさ72号」が運転されます。これは、新幹線荷物輸送「はこビュン」による多量輸送トライアルとして運転されるもので、10両編成のうち3両が荷物輸送用、客扱いは5両のみ、グランクラスやグリーン車は営業停止となります。「大宮行き」である理由は、大宮駅ホームや大宮駅屋上駐車場での荷捌きを検証するためです。 JR東日本は将来的に大宮駅屋上駐車場での荷捌きの実現を目指すとしており、今後もこうした「貨客混載」列車が大宮発着で運行される可能性はあるでしょう。東京発着の列車よりも訴求力に劣るという点も、「貨客混載列車」であれば問題ありません。検証の結果次第では、更なる拡大もあり得るかもしれません。

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