「ロシアとイラン鉄道でつなぎます!」2国間協定が締結 新たな“南北回廊”構築へ

G7広島サミットの開催目前に発表です。

カスピ海とペルシャ湾が鉄道で結ばれる!

 イラン政府は2023年5月17日、ロシア政府と両国間の直通鉄道プロジェクトについて2国間協定に署名したと発表しました。 これはロシアのノバク副首相ら外交団がイランの首都テヘランを訪問し、同国のバズルパシュ道路都市開発大臣と会談を行った際に合意に至ったといいます。

 鉄道はテヘランの北西方向、カスピ海近傍の中核都市ラシュトから、アゼルバイジャンに面する国境の都市アスタラまでを結ぶラインで、カスピ海に沿う形で建設されるとのこと。ロシアとアゼルバイジャンのあいだは鉄道でつながっているため、イラン国内の鉄道網を整備することで、カスピ海北岸にあるロシアの各都市からペルシャ湾に面したイラン南部の各港、とくにバンダレ・アッバースまで鉄道による輸送路が完成するとのことです。 イランのバズルパシュ道路都市開発大臣は、同国がロシアのRo-Ro貨物船を傭船していることに触れ、今回の協定締結を両国間の海上貿易における重要なステップになると説明しています。 加えて大臣は、「カスピ海におけるイランとロシアの造船に関する相互理解は重要であり、昨年(2022年)の南北国際回廊を介した最初のロシア通過貨物の到着による複合輸送の発展は、より効果的な輸送協力を約束するものになる」と述べています。 なお、ロシアからすると、このような内陸部における輸送路を構築することは、中東やスエズ運河まわりとは別の回廊を整備することにつながると考えている模様です。

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