安藤サクラ、是枝裕和監督からの再オファーに怖気づいていた理由「そのときの自分を1発殴ってやりたい」<怪物>

【モデルプレス=2023/05/08】女優の安藤サクラが8日、都内で行われた映画「怪物」(6月2日公開)の完成披露試写会舞台挨拶に、主演の永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、共演の高畑充希、中村獅童、脚本家の坂元裕二氏、メガホンをとった是枝裕和監督とともに登壇。本作オファーを受けた日を振り返った。

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◆映画「怪物」

『万引き家族』でカンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールに輝いた是枝監督と『花束みたいな恋をした』『大豆田とわ子と三人の元夫』などで圧倒的な人気を博す脚本家・坂元、そして音楽には『ラストエンペラー』で日本人初となるアカデミー賞作曲賞を受賞し、『レヴェナント:蘇えりし者』や『怒り』など国内外を問わず第一線で活躍した坂本龍一さんという、映画史上もっとも心を躍らせ揺さぶる奇跡のコラボレーションで紡がれる本作。

舞台となるのは大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子どもたち。それは、よくある子ども同士のケンカに見えた。しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した…というストーリーが展開される。

◆安藤サクラ「万引き家族」直後の是枝裕和監督オファーに恐々

シングルマザーの麦野早織役を演じた安藤は、ステージ登壇時にMCを務めた笠井信輔アナウンサーから「怪物の仲間たちに大きな拍手をお願いします」と紹介されると、「今、笠井さんが『怪物の仲間たちに』っておっしゃった言葉にグッときちゃって、2人(黒川、柊木)を見ていたら泣きそうになっちゃいました」と吐露。

改めて、『万引き家族』以来、再びオファーをもらった心境を聞かれると「(オファーを)受けたのはコロナ禍前で、『万引き家族』が公開してからそんなに時間が経っていなかったんですね。なので、こんなにも早く監督からお声がけいただけるとは思っていなかったので、ものすごく嬉しかったんですけど、反面、監督の現場にすぐに戻ること、そして坂元さんの脚本だということのハードルが私にとってすごく高く感じてしまって、かなり長いこと怖じけておりまして、覚悟を決められない時間が長くなってしまいました」と回顧。

「でも、今、もちろん現場に参加して、完成した作品をスクリーンで見たときに、そのときの自分を1発殴ってやりたいような(笑)、本当に参加できてよかったなと。自分の想像を遥かに超えた作品に出させていただいて、『怪物』に参加した一員としてではなく、この映画を見た一員として、この映画に感動して涙が止まらなかったです」と熱く語った。

◆高畑充希、緊張で「セリフ以外何を喋ったのか覚えていなかった」

一方、永山演じる保利道敏の恋人・鈴村広奈役を演じた高畑は、初めての是枝組となったが「すごくワクワクして、インするのが楽しみだったんですけど、参加させていただいたのが3日間だけで、初日がちょうどみなさんのクランクインと被ってしまって、急にガッと緊張してしまって、永山さんとも初めましてだったので、とにかく緊張MAXでセリフ以外何を喋ったのか覚えていなかったくらいだったんですけど」とコメント。

「現場に入ると是枝さんがすごく温かく見守ってくださっている感じがして、じんわり温かい気持ちになるなって思っていたらあっという間に3日間が終わってしまって、ちょっと寂しかったです」と当時の心境を明かした。

◆安藤サクラ、カンヌ映画祭に期待

また、本作は第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品が決まったが、これに是枝監督は「とても光栄です」と言いつつ、「(出品が)決まる前から公開日が6月2日って決まっていて心配だったんです。カンヌはそんなに簡単じゃないですよって思って、もうちょい先に伸ばしたほうがいいんじゃないですかって話をずっとしていたんですけど、結果的にいい形で参加できることが決まってホッとしています」と胸をなで下ろした様子。

同映画祭に行くことが決まっている安藤は「以前、監督にカンヌに連れて行っていただいたときは、初めてのカンヌ映画祭だったことと、私は朝ドラの撮影をしていたので、行って“これがカンヌか!”って思ってバタバタして帰ったので、今度はしっかりとじっくりとカンヌも映画祭もいろんなことを味わおうと、楽しみにワクワクしています」と声を弾ませた。

◆是枝裕和監督、坂本龍一さんオファーした経緯告白

なお、本作の音楽は3月に亡くなった坂本龍一さんが担当しているが、是枝監督にとっては念願叶っての依頼だったそうで「撮影場所が諏訪に決まって、脚本に風景が明快になっていったときに、この湖に坂本龍一さんのピアノが響くといいなと思って、撮影中も編集しながら坂本さんの曲を仮当てさせていただいて、撮影が終わって編集したものを仮当てした音楽と一緒に手紙を書いてオファーしました」と経緯を告白。

坂本さんの反応について聞かれると「体調のこともあったので、ダメだったら諦めようと思っていたんですけど、すぐに見ていただいて、お手紙が届いて『全部を引き受ける体力は残っていないけど、見させていただいたらすごく面白くて、音楽のイメージが何曲か浮かんでいるので形にしてみますので、気に入ったら使ってください』とのことでした」と明かした。

本作のために新たに2曲作ってもらったそうで「『今まで発表された曲を使っていただいて構いません』というお話だったので、昨年の暮れに発表になった『12』というアルバムから数曲選ばせていただいて、仮当てしていた曲も使わせていただき、もう一度整えて送らせていただいて了解をいただきました」と口に。

改めて、坂本さんに音楽を担当してもらった心境を聞かれると「亡くなられたのは本当に残念ですけど、最期にこういう形でご一緒できたのは自分にとって誇りですし、この作品にとって坂本さんの音楽が必要だったというのが、出来上がった作品を見ると、誰よりも自分が強く感じています。映画に当てて作っていただいた曲だけじゃなくて、『12』から使わせていただいた曲も、言い方が難しいですけど本当に映画を見て作っていただいたんじゃないかと思うくらい、とても映像と作品にマッチしていて、作品の中から聞こえてくるような音としてそこに存在してくれているので、不思議な気持ちを抱いています。本当に感謝しています」と感慨深げに語った。(modelpress編集部)

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