
先週、25度目の「マスターズ」出場を果たしたタイガー・ウッズ(米国)。5度のチャンピオンに輝いたが、初優勝はプロ転向後初出場した1997年。その最終日、5番パー4をボギーとしたタイガーは観戦していた子供、当時9歳だったジュリアン・ネクスセンさんにボールを手渡したという。
そしてネクスセンさんは先月28日、“Tiger”と刻印されていたタイトリストのボールをオークションハウスの「ゴールデンエージ・オークション」に出品。500ドル(約6万6500円)で開始されたが、最終的に6万4124ドル(約853万円)で落札されたと同オークションハウスが発表した。
「タイガーか、あるいはキャディだったフラッフがボールを保存していない限り、このボールがあの歴史的な勝利で使用されたことが確認されている唯一のゴルフボール」とゴールデンエージ・オークションはコメント。タイガーがネクスセンさんにボールを手渡すところは多くの人が見ており、また翌日にはワシントンタイムス紙にその様子が掲載されていた。
ネクスセンさんはこのボールがタイガーが実際に最終ラウンドで使用した本物のボールであることを宣誓する申告書に署名し、オークションに添付している。
当時のタイガーは21歳。のちに15勝を数えるメジャー優勝の最初の勝利は、12打差という圧勝だった。オーガスタ・ナショナルGCで史上最年少記録という金字塔を打ち立てた。
96年のプロデビュー戦でホールインワンを記録した実際のタイガーのサイン入りボールは、昨年11月に18万6000ドル(約247万円)という最高値を記録して落札されている。
先週終了した今年のマスターズでは予選通過を果たしたものの、右足の足底筋膜炎が悪化したことにより、最終日の朝、第3ラウンドの再開前に大会から棄権した。(文・武川玲子=米国在住)