南シナ海の警備体制を強化へ 米海軍の中古哨戒艇2隻フィリピンへ引き渡し

引き渡し式典は中東バーレーンで実施。

サイクロン級哨戒艇すべてが米海軍から退役

 フィリピン海軍は2023年3月30日、アメリカ海軍から軍艦2隻が譲渡されたと発表しました。 引き渡されたのは、アメリカ海軍の哨戒艇「モンスーン」と「チヌーク」です。この2隻はアメリカ海軍サイクロン級哨戒艇の4番艇と9番艇で、沿岸域でのパトロールや捜索救難・密輸阻止などに用いているために建造されました。

 船体サイズは全長53m、幅7.6m、喫水2.3m、排水量331トン、乗員数は約30名。武装は25mm機関砲2門、12.7mm重機関銃2丁、40mmグレネードランチャー2丁、「グリフィン」対地・対舟艇ミサイル発射機8基などで、ディーゼルエンジン4基を搭載し、最大速力は35ノット(約64.8km/h)を発揮します。「モンスーン」が1994年1月、「チヌーク」が翌年1995年1月にそれぞれ就役したのち、中東バーレーンのマナーマを拠点にペルシャ湾などで運用されていました。同型艇が次々に退役していくなか最後まで現役で運用されていたものの、老朽化とアメリカ海軍の戦略転換などにより、このたび退役に至ったそう。 これにより、サイクロン級哨戒艇の全隻がアメリカ海軍から姿を消したことになります。ただ、退役後そのほとんどがフィリピンを始めエジプトやバーレーンに引き渡され、再就役しています。 引き渡し式典はマナーマにあるアメリカ海軍第5艦隊の基地で、フィリピン海軍関係者らも列席して行われたそう。今後、フィリピン海軍の乗員らによる完熟訓練ののち母国へ向けて回航されるといいます。 なお、1番艇「サイクロン」は2000年2月に退役したのち、2年後の2004年2月にフィリピン海軍へ引き渡されて「ジェネラル・マリアーノ・アルバレス」の名で再就役しています。 今回、譲渡された「モンスーン」と「チヌーク」も同じようにフィリピン由来の艇名に改められる予定です。

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