『FJ』とともに米再挑戦へ 元飛ばし屋日本一の幡地隆寛が“実力不足”を痛感した1年から得たこと

<東建ホームメイトカップ 事前情報◇29日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7062ヤード・パー71>

国内ツアー開幕戦の会場に身長188センチの大柄で、タイトリストのキャップをかぶり、フットジョイのウエアに身を包み、まるでPGAツアーの選手のような風貌の男がいた。プロ9年目、29歳の幡地隆寛だ。
2020-21年シーズンに313.04ヤードでドライビングディスタンス1位を獲得した日本を代表する飛ばし屋で2季連続でシード獲得。初優勝の期待のかかる29歳は、今季からフットジョイのウエアを着用している。「PGAの選手はタイトリストとフットジョイというイメージがあって、ちょっと憧れがありまして」とシンプルの中にかっこよさのあるウェアにテンションを上げる。「見た目はぴったりしているけどストレッチ性もあってスイングもしやすいし、しゃがむのもラクなんです」と機能性にも優れていると笑顔を見せる。

キャップとウェアはPGAツアーの選手に憧れているというわけではない。幡地自身も“職場”と意識し、昨年はPGAツアーのQTにも挑戦している。残念ながら1次で敗退したが、その経験が意識を大きく変えた。

「結局それが今の自分の実力とは思いました。今までやってきたことだけじゃ足りないんだと」。前年に国内で日本一の飛ばし屋の称号を手にし、賞金ランキング39位で初シードも獲得した。「半分満足していた部分もあったし、これぐらいやったからいけるという感覚が甘かった」と痛感した。

また、昨年は日本でも20代前半の台頭が目立ち、自分よりも飛ばす河本力の存在に刺激を受けた。河本と同組で回ったときに「会心の当たりが15ヤード負けていました」。今まで日本人選手に飛距離で負けたことがないと自負するだけに、その刺激は大きなものだ。昨年もシード権は保持したものの、「練習も上を目指さないといけない。今の練習のクオリティーじゃ足りないと思い知らされた1年」と振り返る。今オフは練習やトレーニングの量を増やし、取り組み方も考え直した。

取り組みの一つはスイングだ。米国での苦い経験から引き出しを増やした形になる。「僕はターフを思い切り取るタイプだったんですけど、米国のバミューダ芝のフェアウェイでアイアンショットのコントロールが利かなくなったんです」。ヘッドの入射角が鋭角のため、インパクト以降の芝の抵抗を受けやすくなる。日本のコーライ芝に比べると粘っこいバミューダ芝に手を焼いた。「抜けが毎回違うんです。縦距離も合わないし、曲がり幅もコントロールできなかったんです」。ドライバーやフェアウェイウッドには手応えを感じたが、アイアンを握ると狙ったところに打てなくなっていた。

PGAツアーの選手は練習場ではあまりターフを取らずに打っていると知人から話を聞いた。「ターフを取らなければ芝の影響を受けませんからね。入射角もワンパターンではなく、芝の影響を受けにくい打ち方も必要なんです」。今オフは入射角を緩やかにする動きを取り入れた。「状況によってはターフを取って打つこともありますが、基本はターフを薄く取る打ち方になりました」。飛距離は河本に追いつくべく「振らなくても飛ばせるように」と肉体を強化し、海外でも戦えるようにスイングも見直し、再び米挑戦のために始動する。

米ツアーQT挑戦を見据えてスタートとなる国内開幕戦。「今年のオフがいいオフだったというためにも、開幕戦は大事かなと思います。しかし、好きなウェアは気持ちいいですよ。大事ですね、ウェア」。タイトリストのキャップとフットジョイのウェアで米国に立つために、ピカピカの1年生の気分で臨む。

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