石川遼は『67』発進も手放しで喜べない ロングゲームのミス多く「もう少しいいバーディを…」

<東建ホームメイトカップ 初日◇30日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7062ヤード・パー71>

石川遼の2023年初陣は6バーディ・2ボギーの「67」。ホールアウト時点で首位と3打差の好位置だが、手放しで喜べる内容ではなかった。
インスタートの石川は、最終ホールの9番パー4で8メートルのバーディパットを沈めてグリーンを囲むギャラリーを沸かせた。しかし、石川自身は「110ヤードからの8メートルなので、すごくいいバーディという感じではない」と話す。ウェッジを持つ距離ではピンを狙うことを考えているため、2打目のショットが寄らなかったことには厳しい評価を下す。

9番だけではない。11番でボギーを叩いたあとすぐに取り返した12番と、17番の2つのパー5は、ティショットは納得のいくできだった。しかし、12番は3番ユーティリティの2打目を右に曲げてグリーンを捉えられなかった。17番は2打目を左に曲げてグリーンを外した。ともに寄せワンのバーディとしたが、「もう少しいいバーディの取り方ができたんじゃないかと思う」と、マグレではない“根拠のあるゴルフ”を目指す石川にとっては、改善の余地がある内容だった。

この2つのショットのほか、4番、5番、6番のアイアンショットはミスの方が多く、「普段練習場で出るミスよりも曲がり幅がきついなっていうのがあったので、今後に向けての課題と明日以降少しずつ修正したい」としたが、まったく制御できていないミスショットはなかった。「想定の範囲内」のミスにとどまっていることは、4年目を迎えたスイング改造の成果の一つともいえる。

バーディの取り方には不満が残る部分もあったが、「マインド的には良かったと思います。すごく楽しかったですし、めちゃくちゃ気合が入って普段と違うことをやってしまうとかはなかったので良かった」。順位的には好位置で初日を終えた。「もう一度、明日気持ちを切り替えて、いいスコアを出せる準備をしたい」と静かに語った。(文・小高拓)

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