長尺パター使いに変身 原江里菜の試行錯誤と“年女”の決意

<ヤマハレディースオープン葛城 初日◇30日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6480ヤード・パー72>

長尺パター歴1年の原江里菜がバーディチャンスを次々にものにし、5バーディ・1ボギーの「68」をマーク、4アンダーの3位タイと好発進した。初日のトップ5は2019年の「フジサンケイレディスクラシック」以来、4年ぶり。好調のパッティングとともに気持ちも充実している。
「5つのバーディのうち4つは5~7メートルが入って、1つだけ2メートルがあったんですけど、それも下りのどフックが最後にコロンという感じで、どれかひとつでも入っていなかったら、全部入らなかったんじゃないかと思うほど、流れが良かったですね」。そんな快進撃を支えたのが昨年の5月から使い始めた長尺パター。昨年は森守洋コーチがネットオークションにて2万5000円で落札した中古品だったが「オフにご一緒する機会があった宮里優作さんに聞いたら『ちょっと長いんじゃない?』ということで、メーカーの方に43インチを作ってもらって、今季はそれを使っています」。女子ツアーで長尺パターは少数派。なかなかアドバイスをしてくれる人もいなかったが、ようやく自分に合うものを見つけられたようだ。

長尺といえば、以前は胸のあたりにグリップエンドを固定する打ち方が一般的だったが、16年からはこのように支点を作る行為“アンカリング”は禁止となった。規制が入ってから使い始めた原も素振りではアンカリングをすることがある。「動きが分からなくなったらアンカリングをして素振りをして“ああこれね“と残像を残したまま打っています。(グリップエンドを体に)つけたほうが100倍打ちやすい。よくあれを許していたなと思うぐらい、やってみると全然違いますよ」。これも長尺を使い始めたからこそ分かること。今さらながらアンカリングの有効性を実感している。

今年11月で36歳。ツアーの中で同世代は少なくなりつつある。東北高時代の同級生でもある有村智恵はホステスプロとして今大会、会場に姿を見せているが、休養中でプレーはしていない。「やりたいことができるようになってきた感じもあって、ここ3~4年で一番ゴルフに熱が入っているので、智恵ちゃんのような考えは今の私の中にはないですね。予選落ちしたときには、こういう悔しい思いをしないで生活できるのはうらやましいなと思いますけど、それはきっとないものねだり。今日みたいにうれしい気持ちもプレーしていないと味わえないので、頑張って良かったなと思います」。これまで以上に自分のためにゴルフをしているという感覚が充実感につながっているという。

4日間大会の初日が終わったばかりで少々気が早い話だが、最終的にトップ10に入れば、19年以来、トップ5なら18年以来、優勝なら15年以来8年ぶり。長尺パターと再び沸き上がったゴルフへの熱量で健在ぶりをアピールする。(文・田中宏治)

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