【2023年大会】雨中の熱戦を制したFCガウーショが初の東海王者に!《JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN東海》

 3月26日、「JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN東海」が、岐阜県関市のグリーン・フィールド中池で開催された。

 「JA全農杯全国小学生選抜サッカー大会」は8人制のサッカー大会。12分×3ピリオド制で、第1ピリオド、第2ピリオドは特定の8人がプレーし、第3ピリオドはメンバー構成、交代も自由に行えるなど、選手全員が一定以上の時間でプレーできるように工夫され、チームの総合力が試される大会となっている。

 東海大会に参加したのは、愛知県、岐阜県、静岡県、三重県から2チームずつの8チーム。同じ県のチームは決勝まで対戦しないトーナメント形式で試合は行われた。

 前日から降り続いた大雨の影響で、グリーンが美しく整えられたピッチでも、ところどころで水たまりができるありさま。ドリブルも難しく、パスやシュートが止まってしまうこともあり、より集中力が必要なコンディションとなった。

 決勝に勝ち進んだのは、三重県の大山田サッカースポーツ少年団(以下、大山田SSS)と静岡県のFCガウーショ。

 大山田SSSは1回戦をPK戦で勝ち上がると、準決勝では第2ピリオドに3点を先行し試合を優位に進める。その後1点差に迫られドキドキする展開になったが、試合の終了間際に追加点を挙げ、粘る静大付属浜松FCを4-2で下した。

 FCガウーショも準決勝は接戦だった。東海スポーツを相手にPKで2度のリードを許す苦しい展開。まずは必死に追いつこうと攻勢をかけ続けたFCガウーショは、第3ピリオドでようやく同点に追いつくと、終了間際にはカウンターから逆転となるゴールを奪い、最後まであきらめない強い心で決勝進出を決めた。

 午前中ほどではないものの、しとしとと雨が降る中で鳴った決勝戦のホイッスル。大山田SSSはしっかりとした守備から速攻を狙う展開。対するFCガウーショは、高い個人技を強みにどこからでもゴールに向かっていった。

 そんな中、第1ピリオドの11分に試合が動く。ゴールからの距離はおよそ25メートルあったものの、FCガウーショの竹田堅悠が思い切りよく右足を振り抜くと、スーパーなミドルシュートがGKの頭を超えゴールネットを揺らした。

「みんなはグラウンドが重いと言っていたけど、自分は軽く感じていました。ミドルシュートは一番得意なので、決勝で決めることができて、めっちゃうれしかったし、興奮しました」(竹田)

 第2ピリオドは、お互いに決定機を作ったものの、GKが好セーブを見せるなど、両チームともにゴールは生まれず、勝負の第3ピリオドに入った。

 その開始2分、FCガウーショは先制点と同じような位置から、竹田が今度はアーリークロスを入れる。それはゴール前の福田樹の頭にピッタリと合った。

「ゴール前に入っていくのはコーチからも言われていました。(竹田)堅悠くんからすごくいいパスがきて、(頭の)いいところに当たったし、いいコースにいったので決まったと思いました」(福田)

 竹田のピンポイントのクロスに、福田はほとんど動かずにヘディングシュート。これはしっかりとゴールマウスを捉え、FCガウーショが貴重な追加点を奪った。

 追いかける大山田SSSは、懸命にボールを前に運ぶが、ぬかるんだピッチ状態で普段のような力を出し切れない。FCガウーショは、最後列に入ったキャプテンの月見里遥希を中心に集中して守り切った。

「相手も強かったけど、守備をしないとヤバイと思ってめちゃくちゃ頑張りました。決勝だからみんなで楽しくやろうと言っていて、楽しい試合ができました」(月見里)

 トータルスコアは2-0でFCガウーショが初優勝。準優勝の大山田SSSと共に5月に神奈川県で行われる「JA全農チビリンピック2023JA全農杯全国小学生選抜サッカー決勝大会」への切符をつかんだ。

■FCガウーショ:柴原誠監督
「ここ最近は公式戦が重なり、ケガ人や体調不良の選手がいる中で全国の切符が取れたことは素直にうれしいです。まずは選手たちが万全のコンディションで臨めるように準備をしたいですね。今日の試合でも改善するところは多くありました。選手や親御さんたちにはいつも『一喜一憂しない』と言っているので、優勝してもそのスタイルは変わらず、修正すべき点を修正していきたいですし、いろんな環境や状況でも対応できる選手になれるように育てているので、いろんな引き出しを持ったスタイル、相手に対して賢く戦うガウーショのスタイルを見てほしいと思います」

■月見里遥希キャプテン
「全国大会に行きたかったのでうれしいしほっとしました。僕たちは天気とかピッチとか、相手とかに合わせていろんなサッカーができるし、フォーメーションもいろいろできるチーム。全国大会では、自分がたくさんゴールを獲って、しっかり守って、みんなが『おー!』って言うようなプレーをしたいと思います」

■大山田サッカースポーツ少年団:小山直樹監督
「決勝戦は、子どもたちがとても疲れていたので戦えるのかと思っていましたが、持てる力は出してくれました。相手の方が試合運びもうまかったですし、シュートの質も高かった。このコンディションでは仕方ない部分もありましたし、この試合で出た課題を全国大会までに修正して臨みたいと思います。全国大会は強豪ばかりですが、まずは予選リーグ突破で勝てるように、堅守速攻のスタイルや攻守にハードワークするという大山田のサッカーをやり通したいと思います」

■竹嶋嶺キャプテン
「決勝は、自分たちが持っていないところを相手が持っていました。全国大会に向けて自分たちが持っていなかったところを少しでも身に付けて、伸ばしていければと思います。目標は、まず予選を突破して日産スタジアムのピッチに立つこと。自分たちのあこがれのピッチだし、将来的にも日本代表になって、そこでプレーしたいと思います」

取材・文=斎藤孝一

全国9地区で開催される『JA全農杯全国小学生選抜サッカー』の模様は@zennoh_sportsにてTwitter速報を実施。

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