山内日菜子の初優勝に家族も選手も地元ギャラリーも涙、涙、涙! 母は「奇跡」

<アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 最終日◇26日◇UMKカントリークラブ(宮崎県)◇6565ヤード・パー72>

プロ8年目に地元・宮崎県でツアー初優勝を果たした山内日菜子。ラウンド後は何度も涙で言葉を詰まらせたが、それは見守った人たちも同じだった。
父・克則さんは、「信じられない。ひたすら全部うまくいくようにと思って見ていました」と、緊張の18ホールの様子を話した。QTランク181位という位置で今季開幕を迎えていたこともあり、ラウンド中は「リランキングがあるのでなんとか5位以内に入ってくれればと思っていました。優勝なんて考えなかった」ともいう。「QTのつもりでやろう」と声をかけて送り出したが、結果的に“考えてもなかった”ことが起こり、今季の残り試合と来年の出場権(一部大会を除く)を手にすることになった。

優勝スピーチでは涙で言葉がでない娘を遠目に見ながら、「泣くなって、そんなに…」とポツリつぶやきもらい泣き。「人がよすぎて、それがゴルフにはマイナスになることがあった。でもきょうは最後まで戦い続けてくれました」と娘を称えた。

母の由美さんも目を真っ赤にしてよろこんだ。「信じられない。嘘みたいでフワフワしてます。今までコツコツと頑張ってきて、宮崎でみなさんの前で優勝するなんて奇跡のようで信じられない」とラウンド後は実感が湧かないといった様子だ。「のほほんとしてるけどコツコツ地道にやっていくのが好きなタイプ」という娘を「やったね」と優しいまなざしで眺めていた。

この日は、2人いる弟のうち福岡の大学に通う次男の確(たしか)さんは来られなかったが、長男の南雲(なぐも)さんがコースで優勝を見守った。24歳の弟の目にもやっぱり涙だ。山内は会見で家族について聞かれると、「一番近くで応援してくれたので、優勝する姿を見せたかった。地元でできて少しは恩返しできたかな」と、ここでも言葉を詰まらせながら感謝を伝えた。

30センチのウィニングパットを沈めた瞬間、同郷や同期の選手たちも自分のことのように手を挙げてよろこび、グリーン脇で泣きながらハグで出迎えた。同じ宮崎県勢で1学年上の柏原明日架は、自らは悔しい予選落ちとなったが再びコースにかけつけ見守った。

1学年下の脇元華は、ジュニア時代から切磋琢磨を続けた先輩の姿から刺激も。「すごく感動して、自分も勝てるっていう自信をもらえました。宮崎県勢はメンバーが多くないので。いやー、泣きましたねー。次は私が勝ちたいですね」。山内の人柄については「めっちゃ天然で、ホワホワしていて明るくてめっちゃ優しい」と明かした。ほかにも同期で大会では3位に入った照山亜寿美や大出瑞月らからも、たくさんの言葉がかけられた。

山内がバーディを奪うとひときわ大きな拍手が沸き起こった地元大会。スタート前もたくさんのギャラリーから言葉をかけられるシーンを見かけることができた。「これまで色々なゴルフ場で声をかけていただいたり、ゴルフ場の方たちもすごいやさしく声かけていただいて感謝の気持ちでいっぱいです」。優勝インタビューでも「背中を押してくれた」と、宮崎のファンへの思いを涙ながらに語った。

家族、選手、そしてファンと多くの人々からたくさんの祝福が送られた、とても温かいラストシーンだった。(文・間宮輝憲)

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