NiziU「Paradise」が心に響く理由「映画ドラえもん」とリンクする世界を紐解く

【モデルプレス=2023/03/25】NiziUの5thシングル「Paradise」は、大ヒット上映中の『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』の主題歌だ。彼女たちにとっての初めての映画主題歌であり、3月13日付けオリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキングでは初登場1位を獲得。同ランキングにおいての3作首位獲得は女性グループ初の快挙となった。この曲が多くの人の心に響くのはなぜなのか?映画と歌詞のつながりを紐解きながら考えてみたい。

NiziU「怒ったら怖い人ランキング」の存在明かす

◆「Paradise」について

この曲が『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』の主題歌として起用されることがサプライズ発表されたのは、昨年の京セラドーム大阪公演だった。NiziUにとって初の、しかも国民的な人気アニメの映画主題歌というニュースに、ドームが歓喜の声に包まれた。1月7日には同曲のリリースが発表され、TVアニメ『ドラえもん』のエンディングテーマとして流れ始め、3月3日の映画公開と同時に、MVも公開。映画の世界とリンクした曲の内容が話題となった。

このミディアムバラードの作曲&プロデュースは、同じ事務所の先輩グループStray Kids(ストレイキッズ)のバンチャン、チャンビン、ハンの3人によるプロデューサーユニット“3RACHA”が担当している。Stray Kidsは全ての楽曲をメンバーが制作することで知られており、「Paradise」のレコーディングのビハインド映像では、バンチャンの的確で温かいアドバイスが見られた。また彼らがプロデュースしたことで、世界中のファンへの認知度も上がっている。

楽曲の良さは映画を見た人はもちろん、曲を偶然耳にした人にも伝わっていて、「ラジオで聴いてなぜか涙が出て、思わずMVを見にきました」というコメントも。YouTubeでのMVの再生回数は公開から2週間で1400万回を突破した。

3月15日公開のBillboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”では総合首位を獲得。「ドラえもんのように『Paradise』も沢山の世代の方に愛していただける楽曲になったらいいな」というMIIHI(ミイヒ)の言葉通り、今まさにこの曲は映画、ラジオ、テレビ、YouTube、いろいろなところであらゆる年代の人に届いている。

◆映画とリンクする歌詞の世界

今回の映画の舞台は、誰もがパーフェクトになれる、空に浮かぶ理想郷“パラダピア”。のび太は「ここに暮らして “パーフェクト小学生”になりたい!」と意気込む。しかし、ジャイアンもスネ夫もしずかもパーフェクトになっていくのに、自分だけいつもの「のび太」のまま。でもその“らしさ”を失わないのび太が友達や人々を救う、ファミリー向け映画でありながら大人の心にも響くストーリーだ。

映画で語られる「君は君しかいないのだから、そのままでいいんだよ」というメッセージが、「Paradise」のテーマにもなっている。

映画の中でのび太は「ダメ小学生」と言われるのだが、友達を助けたいという優しさと強さがある。それが“わかるだろう/君にはもう君だけの色も形も/優しさも強さもあるんだ”というフレーズとシンクロする。

今回の映画の宣伝コピーは「僕らの『らしさ』が世界を救う」。SNSが普及し、他の人と違う自分らしさを表現することが求められることが多い現代では、“らしさ”を無理に作り出さなくてはと焦りを感じている人も多い。のび太も「変わりたい」と強く思っているように。

でもそんな人に「ありのままのあなたでいい」と伝えてくれるのが、“宝物は君なんだよ 気がついてよ この惑星(ほし)の歴史にも君は君しかいないよ”というフレーズだ。当たり前のことなのだけれど、改めて言われると自分がユニークで他にない存在に感じ、嬉しくなるのはなぜだろう。

◆落ち込んだときも“ぼくはここにいるよ”

劇中、のび太は「パーフェクト小学生になりたい!」と思っているのにうまくいかず、落ち込んでしまう。“小さなちっぽけな今には/大きな大きな夢が詰まっているの/悔しさに泣いたって/手を差し伸べるから”というフレーズは、そんなのび太を励ますようだ。

前に進んで行こうという気持ちがあるからこそ、落ち込むこともある。「その気持ちを持っていることの素晴らしさを知っているから、自信を失わないで」、そう言っているようで、私たちにも響くメッセージだ。決してパーフェクトでなくても、欠点も含めてそれぞれ自分の思いを、“らしさ”を持っているからいいと力づけてくれる。優しく語りかける歌声は、隣で手を握ってくれる友達のような温かさに満ちている。

◆そこにある日常の大切さに気づいて

もうひとつ映画のなかで描かれているのが、“日常”の大切さだ。

映画の中ではそこにも危険が迫った。そう、私たちが何気なく過ごしている日常は、歌詞にもあるように“あたりまえだけど奇跡”なのだ。特にここ数年、当たり前の日常が変わっていってしまう場面を目にしてきた。だからこそ、映画の中でのび太が日常に戻っていく場面に、これまでよりも嬉しさを感じるのかもしれない。彼の日常の象徴であるママの小言が、なんだか愛おしく感じられるほどに。

そして先にある幸せを願うことも大事だけれど、同時に日常の中にある“今の幸せ”を見つける。今の季節なら “道端に咲いた花に集まる蝶を/照らす太陽は全てを温め”る様子に幸せを感じられるだろうか。「そんな幸せがある今の日常こそが、“ひとりひとりのParadise”なんだよ」、そう言われている気持ちになる。

堂山監督は、「主題歌で綺麗に余韻が残って終わる風にしました」と語っている。たしかにエンドロールで流れる「Paradise」を聴いていると映画の中の様々なシーンが思い出され、感動が重なっていくのを感じた。

映画が終われば、観客も映画館という別世界から日常へ戻っていく。その戻っていく先のそれぞれの日常を「温かく大切なもの」に感じさせてくれる曲になっている。

◆メッセージをより深く伝えるNiziUの表現力

「Paradise」を聴いてまず感じるのは、彼女たちの歌の表現力がさらに増したということだ。RIKU(リク)は「聴いている人に語りかけるような気持ちでレコーディングした」と語っていた。

公開されたレコーディングのビハインド映像を見ると、メンバーそれぞれが今回の歌詞に心を打たれ、その感情を表現しようと非常に努力したことがよくわかる。

全世界から関心を集めたオーディション「Nizi Project」に始まり今に至るまで、 メンバーたちは「“自分らしさ“とは何か」を、模索してきたのだろう。悩み・考えてきたことと、「Paradise」の歌詞の内容が自分自身とリンクしているとインタビューでも言及していた。だからこそ歌に説得力があり、まっすぐ伝わってくるのだろう。

MVの冒頭では同一のウィッグ、衣装を見に纏い、あえて“らしさ”を消したような演出がされていたが、それでも消えないメンバーごとの魅力がある。それこそが彼女たちがこれまで培ってきた”自分らしさ”なのだ。

◆進化を続けるNiziUに期待

昨年は初の全国単独ツアー、女性アーティスト史上最速記録であるデビュー後約1年11カ月での東阪ドーム公演を成功させた。そして今年は国民的アニメである「ドラえもん」の映画主題歌を担当。着実にステップアップを続けている。

映画でも印象的に現れていた美しい虹。いろいろな色が合わさって一つの美しい虹を作るように、メンバーが培ってきたそれぞれの“らしさ”がひとつになってNiziUをより輝かせ、パフォーマンスを届けていく。

MVのラストは、彼女たちが広い空に飛び立っていくような振り付けがされている。その振り付けのように、2023年、さらに大きな舞台へと羽ばたいていく彼女たちから目が離せない。(modelpress編集部)

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