右折後の赤信号は「停止」か「通過」か 巨大交差点の“工夫” それでも迷う人続出も

右折直後に見える赤信号は、止まるべきか否か――一般論としての答えはあるものの、実際には場所により異なります。超巨大な交差点では、相応の工夫も見られます。

右折後の赤信号は停車?通過?

 交差点を右折した際、曲がった先の信号が赤になっている場合、止るべきなのか――。一般的にはこのような場合、信号に従って停まる必要はないと教習所でも教わることでしょう。ただ、大きな交差点の場合は、そうとも限りません。

 たとえば、道路の中央に高架の高速道路などが通り、その両側の側道は、高架を挟んで上下線が分離されているケース。この場合、側道から右折した先に、もう一つ交差点があるような形状になります。ここで停まるべきか、進むべきか、迷うケースもあるかもしれません。 この判断のポイントは「停止線の有無」です。曲がった先に停止線が引かれていれば、その信号に従わなければなりません。この場合、同一の交差点名ながら、実質的には2つの交差点と見なされています。 しかし、大きな交差点では右折後に停止線があって信号に従う構造になっている、とも限りません。より大きな交差点でも、右折後の信号に従わず通過しても良いケースがあります。 たとえば、上下線のあいだに高架道路はないものの、それを通すための巨大な中央分離帯がある道路です。首都圏では国道4号「東埼玉道路」や国道17号「熊谷バイパス」などが挙げられます。 これらでは、交差点の手前から中央分離帯側に右折レーンを分岐させ、右折車が「反対車線の交差点」のすぐ近くに待機できる構造が見られます。確かにこれなら、「2つ並んだ交差点」と勘違いしないで進めそうです。 この構造は、中央分離帯に高架道路が通っているところ、たとえば都区内の首都高直下の道路などでも、橋桁の真下に右折レーンを作る形で採用されているところがあります。

あまりに巨大道路すぎて? 迷う人続出も

 しかし、右折レーンを反対車線側へ分岐させた道路で、右折後の信号は停まるべきか否か、迷う人が続出したケースも存在します。たとえば、新潟市街の国道7号「栗ノ木バイパス」です。 この道路は、もともと上下3車線ずつで分離された6車線道路でしたが、ここへさらに高架の本線を通すスペースを捻出するため、「川を挟んで並行する県道を国道の一部に組み込む」という大規模な線形切り替えが2022年10月に行われました。これにより、従来の国道は片側を潰して上り(北行き)3車線に、拡幅された県道側は下り(南行き)3車線とし、上下線が大きく離れることになったのです。 途中の交差点も、もともと国道バイパスと県道とで別々の交差点でしたが、これにより「一つの交差点」になりました。すると、「交差点右折後の赤信号は停車?通過?」との声が多く寄せられ、国道事務所は「交差点は速やかに通過してください」などの注意喚起看板を設置しました。 栗ノ木バイパスでも、右折レーンを中央分離帯側に延ばす構造にしましたが、もともとが別々の道路の交差点であったうえ、あまりに巨大すぎて、右折レーンから交差点通過までの距離が長くなり、迷う人が多くなったと考えられます。

 こうした道路に高架橋ができれば、周囲の状況はさらに変化し、運用が変化することも考えられます。ドライバーには、停止線の有無など周囲の状況をよく確認して進むことが求められそうです。

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