単独首位浮上の申ジエはパラダイム→ステルスでイーグル締め! 自分のスコア知らず「集中できていた」

<ダイキンオーキッドレディス 3日目◇4日◇琉球GC(沖縄県)◇6560ヤード・パー72>
 
ついに虎が目を覚ました。初日は「73」と1オーバー・31位スタートの申ジエ(韓国)が、2日目に「69」、そして3日目に「65」を叩き出して、トータル9アンダーで単独首位に躍り出た。特に土曜日のバックナインでは1イーグル・4バーディと、他の選手を圧倒するプレーを見せている。
「18番あがってスコアを書く前まで自分のスコアを知らなかったくらい本当に集中ができて、その部分が一番いい結果と思います」と会見で語った。3日目は初日、2日目に比べると気温が上がり、風も穏やかになったが、ピンが難しい位置にきられていたため、上位勢のスコアは伸び悩んだ。
 
そのなかで、「私は狭くてグリーンが小さいコースが好き。このコースも狙う場所が狭いし、きょうのピン位置はとても難しくてもっと狭い感じがしました」と他の選手が苦しんだコンディションで、持ち前のショット力がさく裂。唯一のボギーは3パットした4番だったが、「あのボギーでパッティングスピードとか、自分のリズムをもう一回確認できた」と、ここからパットも噛み合いだす。
 
すぐさま5番でバウンスバックを決めると、後半に入って、11番では1.5メートル、12、14番でも1.5メートル、17番では4メートルのチャンスにつけてバーディを奪った。

圧巻だったのは最終18番パー5。残り230ヤードのセカンドショットを3番ウッドで狭い花道にキャリーさせて転がし、ピン奥1.5メートルにつけてイーグル締め。「初日は新しい3番ウッドを試したんですけど、しっくりこなかったので、もとのクラブに戻しました。だからそのクラブを信じようとしました。ティショットは左に行って、ピンは右に切ってあったんですけど、右からの風と打つ角度が良かったので、いいチャンスにつくだろうと思いました」と会心のショットを説明する。

昨年まで、ドライバーはキャロウェイ『ローグST』、3番ウッドはテーラーメイド『ステルス』を使用していたが、この開幕戦ではドライバーはキャロウェイの新作『パラダイム』、3番ウッドはテーラーメイドの新作『ステルス2』でスタート。2日目以降、3番ウッドは『ステルス』に戻していた。新しいドライバーについては、「去年使っていたローグSTよりも球が強く伸びる感じがするので、風の中でも重い球が出ました」と気に入っている。

海外メジャーは2勝。米韓で賞金女王に輝き、世界ランキング1位に君臨したこともあるジエだが、、昨年は2014年の日本ツアー本格参戦以来初めて、優勝のないシーズンを過ごした。昨年の開幕戦後、慢性的に抱えていたヒジの痛みを取り除くために、両ヒジの手術を行ったことが焦りにつながった。「手術後だったので自分のプレーに余裕がなかったのは事実です。その中でも最善を尽くしたし後悔のないプレーはできました」と、未勝利のシーズンを振り返る。

それが今年はオーストラリアで1カ月の調整を行い、豪州女子ツアーの「ヴィックオープン」(2月9~12日)で2位に5打差をつけて優勝と好調な滑り出し。「オーストラリアでは全体的なプレーのイメージがすごくよかったので、そのまま今週もそれができている」と話す。そして最終日に向けては「明日もいい天気の予報なので、またピン位置は厳しくなると思いますが、きょうみたいな自分のプレーができれば、いい結果がついてくると思います」と、その顔には自信がみなぎる。2年ぶりの優勝はもう目の前だ。(文・下村耕平)

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