そこは桃源郷だった!? 開業秒読み「新綱島駅」に潜入 「相鉄・東急直通線」唯一の単独新駅はどんな姿?

開業を3月18日に控えた「相鉄・東急直通線」が、きょう5日に竣功式典を迎え、あわせて新駅である「新綱島駅」の内部が公開されました。どんな駅になるのでしょうか。

開業迫る「新綱島駅」報道関係者に公開

 いよいよ3月18日に開業を迎える「相鉄・東急直通線」。その竣功記念式典が5日に新横浜駅で開かれ、あわせて新設される新綱島駅が報道関係者に公開されました。

 相鉄・東急直通線は、東急東横線・目黒線の日吉駅から分岐して東海道新幹線の新横浜駅へ直結し、さらに羽沢横浜国大駅から相鉄線へ直通するもの。東武東上線や東京メトロ南北線、都営三田線の列車も乗り入れ、相鉄がさらに広大な鉄道ネットワークへ組み込まれていきます。2012年に着工し、いよいよ完成を迎えます。 新横浜駅で開かれた式典では、鉄道・運輸機構の河内隆理事長と相模鉄道の千原広司社長、東急電鉄の福田誠一社長らが登壇。テープカット・くす玉割りが行われました。式典で鉄道・運輸機構の河内隆理事長は「新駅となる新横浜駅と新綱島駅は、いずれも厳しい施工状況の中での建設となり、鉄道構造物として最新の技術を採用するなど、創意工夫を重ね、無事に工事を完了することができました」と挨拶しました。  式典のあと、式典参加者と報道関係者を乗せた試乗列車が新横浜駅から新綱島駅まで運転され、新設される新綱島駅の見学会が行われました。ちなみに、試乗列車には相鉄20000系と東急5050系4000番台が使用されました。

気になる「新設駅」新綱島駅の様子は?

 相鉄・東急直通線で唯一の「新駅」となる新綱島駅は、東横線・綱島駅のすぐ東側に位置する地下駅で、互いに徒歩4分で行き来できる距離です。駅の構造は島式ホーム1面2線。駅部の延長は約240メートル、深さは約35メートル(地下4階)となっています。 一般的な地下路線は、トンネル部はシールド工法で造られ、駅部は地上から掘削して躯体を建設する形になりますが、新綱島駅は少々異なります。日吉方面の34・5メートルだけ非開削工法で築造されており、ホームからも途中で地下構造の「継ぎ目」が確認できるのです。これは周辺環境の制約によるものです。また、最初に掘った際に土留めした仮設の壁がそのまま駅の本体構造物として使われているのも、狭隘な現場ならではの工夫と言えるでしょう。 駅名標はもちろん東急のデザインで、紫色のラインカラーが新鮮です。都心方面の行先案内看板には「日吉・渋谷・池袋・川越市・目黒・赤羽岩淵・西高島平・浦和美園」という、まさに「そうそうたる顔ぶれ」。広大な鉄道ネットワークの誕生を実感します。列車案内表示は、東急ではまだ珍しいLCDディスプレイを採用。また、路線案内では「東横線」「目黒線」とともに「東急新横浜線」という標記が使用されているのが印象的でした(「東急」を含めて路線名称)。 またホームだけでなくコンコースの至るところに、先に公開されていた新横浜駅と同様、地域の特徴や歴史を感じることができるデザインが散りばめられています。  特に印象に残るのが、地下1階の改札口付近に設置された巨大な発光するガラスパネル。綱島は、明治時代から戦前にかけて川の氾濫を利用した桃栽培の町として知られたことから、ガラスパネルには桃の木が描かれ、「桃色」「青」「オレンジ」「白」の4色で発光します。時間ごとに発光する色を切り替えることもできるそうです。  ホームの壁や柱には、青や水色が採用されており、綱島が鶴見川の近くで発展してきた歴史にちなんでいます。ホームには既に、東武東上線の小川町、埼玉高速鉄道線の浦和美園、都営三田線の西高島平まで記載された壮大な路線図が掲示されていました。東急新横浜線の開業後は、新綱島駅が所属する東急新横浜線も巨大な直通ネットワークの一部を構成します。

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