渋野日向子が語った“クラブ大胆変更”の意図 番手ずらしの一工夫で「同じような打ちやすさ」も実現

<ホンダLPGAタイランド 事前情報◇22日◇サイアムCC パタヤオールドC(タイ)◇6576ヤード・パー72>

今季の自身開幕戦で大胆なクラブセッティング変更を施した意図を、渋野日向子が明かした。「試行錯誤中で、また5番アイアンが入ったり、違うクラブを入れたりすることもあると思う」ともいうが、初戦の陣容が固まった。
ドライバーは昨年までエースだったピンの『G410 PLUS』から、『G430 MAX』に変更。「安定感も前より増していると思うし、平均的に飛んでるかな。いろいろ試して、シャフトも何本か挿して」と、このヘッドに“青ベン”こと『ベンタス TRブルー』(5-S)を組み合わせた。ちなみに昨年までシャフトは、同じ藤倉コンポジットの『スピーダーNX』を愛用していた。

さらに3番と7番という構成だったフェアウェイウッドは、7番を抜いて5番を投入する。そしてヘッドはドライバーと同じ『G430 MAX』でそろえたが、ここに一工夫を施した。7番用のシャフトを5番に挿す“番手ずらし”をすることで、「7番に近くて、同じような打ちやすさ」をもたらした。

渋野のセッティングの特徴でもあったウェッジの構成も、昨年までの4本(46度、52度、54度、58度)から今年は3本(50度、54度、58度)に変更。そのかわりに9番アイアンの下に、「46度よりも少し飛ぶ115~120ヤードくらい」というW(ピッチングウェッジ)を入れた。この変更による違和感も特になく、「(番手間の飛距離差が)10~15ヤードだったので、3本で対応できるかな、と。ピンが近くても54度でのアプローチができたり(変化があった)」と技術面の向上もクラブ選びに大きな影響を与えたという。

そして昨年7月のメジャー「アムンディ エビアンチャンピンオンシップ」からマレット型に変えたパターも、今季の開幕戦はもともとプロ転向後から使用していた“おなじみの”ピン型に戻した。選んだのはヘッド幅がワイドな『アンサー 2D』。これについても「ピン型が自分に合っているかな。(もともと使っていた)シグマ2よりヘッドが大きいし、安心感もある。練習した感じでは、打ちたいところに行っていたし、打感もあまり変わらないので、スッと入れることができました」と手ごたえを感じている。14本の全体感については「距離も変わってきたし、それもふまえて計算して、こういう形になりました」とした。

今オフには2019年の全英制覇時に指導を受けていた青木翔コーチのもとを訪れ、「スイング全体」の指導を受けたことも明かす。「2カ月やってきて、まだ完成したわけではないし、不安しかない」と“発展途上”ゆえの本音も垣間見えるが、「気持ちだけは負けないように。気合と根性で」と米国での2年目のシーズンに向かっていく。クラブについても実戦のなかで手になじませていく必要があるが、「勝ちたい」という強い思いで臨む1年へ、今、最良と考える14本が準備できたようだ。(文・間宮輝憲)

【渋野日向子の開幕セッティング】
1W:ピン G430 MAX(10.5°、ベンタス TRブルー5S、44.75インチ)
3W:ピン G430 MAX(15°、ベンタス TRブルー5S)
5W:ピン G430 MAX(18°、ベンタス TRブルー6S)
4U:ピン G430(22°、スピーダーTRハイブリッド75S)
5U:ピン G430(26°、スピーダーTRハイブリッド75S)
6~W:ピン i230(MCI80R)
50°、54°、58°:ピン グライド3.0(MCI MILD 105)
PT:ピン アンサー 2D
B:タイトリスト プロV1X

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