「信号、低っ!」しかも永遠に青にならない!? 手を伸ばせば届いちゃう東京の珍信号ができたワケ

東京都板橋区内で、手を伸ばして届くほどの異常に低い位置に車両用の信号機があります。この低さにある理由は近くを通る首都高速が大きく影響しています。

十字路の右左折のためかなり混雑する場所でもある

 東京都板橋区の「大和町」交差点は、国道17号(中山道)と環七通りが交わり、地下には都営三田線の板橋本町駅がある大きな交差点です。環七通りが「中山道陸橋」で国道17号をまたいでいますが、この陸橋に奇妙なスポットが。「異様に低い」位置にある車両用信号です。

 その高さは地上2m程度で、橋桁の下にある駐輪場から手を伸ばせば信号に手が届いてしまうほど。3色の信号の下についている矢印灯はもっと低いところにあります。 この信号が設置されているのは、国道に並行して商店街が続く旧中山道が、環七内回りの側道と交わる箇所です。旧中山道は中山道陸橋によって南北が分断されている形で、歩行者は橋桁の下を通って北側へ渡れるものの、クルマは左折するしかありません。 また、「青」の代わりに左折の矢印灯が表示されるため、3色灯の部分は、黄・赤は点灯するものの青が点灯しないことも特殊です。ここには左折の標識も立っていますが、かつては「自転車を除く」の補助標識があり、自転車はそのまま自転車通行帯を通って北側にいけました。車両用「青」ではなくしかし現在は「自転車除く」です。 歩行者信号がこのような低さにあるケースはそれなりに多いですが、自動車用となると稀ではないでしょうか。その低さの理由は、国道17号の上を走る首都高速にあります。 中山道陸橋は環七の混雑緩和のため、1965年に完成しましたが、そのとき既に首都高5号池袋線が国道の上を通る計画があったようで、首都高の橋桁の下を通すため、陸橋はそれほど高くできなかったのです。 環七の側道から大和町交差点で右左折するクルマは非常に多く、側道の途中にあるこの信号が原因で、車列が側道を超えて環七本線まで滞留することもあります。しかし駅前であるほか、旧中山道は商店街のため歩行者、自転車ともに多く、クルマの通りも少なくありません。こうした状況から、たとえ側道の途中、かつ低すぎる位置になっても、信号が必要なようです。 ちなみに、この陸橋周辺は、交差点周辺のビルによって半閉鎖的な状態となっているため、環境省環境管理局の調査によると、2001年度と2002年度に日本一大気汚染が深刻な交差点だったそうです。そのため、橋桁の下では土壌と植物を用いた空気の浄化を行っています。※一部修正しました(2/27 14:50)

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