東横線「菊名行き」激減 そもそもなぜ多かった? 消えゆく“もうひとつの直通線”の記憶

2023年3月のダイヤ改正で、東急東横線は相鉄線などと直通運転を開始しますが、ダイヤを見ると菊名行きの列車が激減しています。渋谷方面から新横浜へ行く際は必ず乗換駅として利用していた菊名駅ですが、今後は様相が変わりそうです。

菊名行き 平日は3本、土休日は6本に

 相鉄線との直通運転を控えた2023年2月17日(金)、東急電鉄はダイヤ改正日である3月18日(土)以降の時刻表を公表。とりわけ東横線のダイヤを眺めていると、ある列車が大幅に減便することに気づきます。

 それは「菊名行き」です。現行の渋谷駅のダイヤ(平日)を見ると、午前6時45分発を皮切りに、朝ラッシュ時間帯に概ね1時間あたり2本、夕ラッシュ時間帯に最大4本、午前0時台には5本中3本が設定されています。これが改正後は、1日たった3本の設定になるのです。 土休日も激減は同様です。朝と夕以降に概ね1時間あたり1~2本あった菊名行きは、1日を通して6本になります。 そしてこれは同時に、菊名始発が激減することも意味しています。平日は、午前7時08分発を最後に設定がなくなります。始発から数えて実に6本です(現行は1日を通して35本)。土休日は10本と平日より多いですが、それでも現行の23本と比べれば半分以下です。 ちなみに菊名駅で列車が折り返すには2通りの方法があります。ひとつは横浜方に設けられた引き上げ線を使うもの。ただしここは8両編成の列車しか入線できないため、10両編成の場合は渋谷方の渡り線を使い、ホームで直接折り返します。

日比谷線直通列車の名残

 菊名行きのルーツともいえるのが、2013(平成25)年3月15日まで東横線に乗り入れていた、東京メトロ日比谷線の列車です。東横線は東京メトロ副都心線と直通する前まで日比谷線と直通しており、日比谷線から来た列車は菊名駅まで運転されていたのです。

 直通廃止の直前、2013年2月の日比谷線のダイヤを見てみると、朝夕ラッシュ時間帯には1時間あたり3~5本が、日中も2本が東横線に乗り入れていました。そのため、「東横線内の菊名行きといえば日比谷線の列車」というイメージを持っている人もいるかもしれません。何せ1988(昭和63)年から四半世紀続いていたのですから。 そもそも日比谷線は、全線開通した1964(昭和39)年8月から東横線との直通運転を開始。なお当時は日吉駅まででした。同駅の横浜方に、かつて引き上げ線があったからです。ただ同駅は1988年から地下化工事を開始し引き上げ線を撤去したため、日比谷線は菊名駅まで延長運転されたのでした。 さて、来る3月のダイヤ改正で、東横線は東急新横浜線と直通運転を開始します。これまで渋谷方面から新横浜駅へ行く場合は、菊名駅でJR横浜線に乗り換える必要がありましたが、今後は東急線のみで到達できるように。「菊名行き」の減便も相まって、菊名駅の存在は少しばかり薄くなってしまうのでしょうか。それでも、優等列車が停車する駅であることに変わりはありませんが。

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