人類初の超音速へ ロケット飛行機「X-1」の初飛行日 -1946.1.19

77年前の1946年1月19日、米ベル社の試験機「X-1」が初めて空を飛びました。

超音速領域を知るための試験機

 今から77年前の1946年1月19日。アメリカの試験機「X-1」が初飛行を迎えました。 この機体はロケットエンジンを積み、のちにチャック・イェーガー大尉が人類で初めて音速を突破することになる飛行機です。  1940年代に入ると飛行機は音速に近くなり、空気の衝撃波の影響が無視できなくなることなどから、レシプロエンジンでプロペラを回して推進力を得る方法は頭打ちを迎え始めました。そこで各国で開発が始まったのがジェットエンジンです。しかしX-1は、化学燃料の爆発力によって推進するロケットエンジンを採用しました。 ロケットエンジンは高出力ですが持続性に劣る特徴があり、飛行試験の際は自ら飛び立つのではなく、他の飛行機に搭載されて高空まで行き、空中で切り離される形を取っています。当時はひとまず「超音速で飛ぶと飛行機はどうなるのか」というデータを取得するためにこのような運用となりました。 X-1の機体はシンプルな流線形で、ジェット機のような吸気口もなく、ロケットに主翼と尾翼がついたような見た目です。その後5段階に渡ってマイナーチェンジが図られ、コクピット部や主翼などの形状が変化しています。 初飛行は動力なしで滑空し、着陸に成功。それからエンジン点火による試験を何度も繰り返し、1947年10月14日に満を持して音速突破のチャレンジが行われました。X-1はロケット噴射でマッハ1.06へ突入、無事帰還しました。このとき操縦していたのが、かの有名なチャック・イェーガー大尉です。ちなみに、この速度記録で一躍、名が知られるようになった彼は、2020年に97歳で死去しています。 これらの知見もふまえ、ジェットエンジンによる世界初の戦闘機「F-100 スーパーセイバー」は 1953年に初飛行を迎えています。その後、超音速旅客機「コンコルド」も誕生し、人類は「音速の壁」を克服していくことになります。  

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