異次元ゴルフを見せるチャン・キム 大きなスイングアークで飛ばしながらも曲げない秘訣とは?【男子TOP10 ドライバー連続写真解説】

2022年の男子ツアーを振り返ると、賞金王に輝いた比嘉一貴や比嘉に次ぐ2位の星野陸也ら、20代の選手が活躍する一年だった。ここではツアープロコーチ・石井忍が、国内男子賞金ランキングでトップ10に入った選手たちのスイングを連続写真で分析し23年の活躍を占う。

今回は22年国内男子賞金ランキング7位で通算8勝を挙げているチャン・キム(米国)のスイングを解説。昨季は13試合に出場し、トップ10回数は7回。「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」では、4日間で2イーグル・30バーディ・2ボギーのトータル32アンダーと桁違いのゴルフを見せ、最少ストロークの記録を塗り替えるという、歴史的な優勝を果たした。

チャン・キムのスイングの特長について石井は「トップから手元と体の距離を維持して振り下ろすことでスイングアークが大きくなり、パワーが最大限に発揮されて飛ばせるスイングです」と、話す。

ドライバーの平均飛距離とフェアウェイキープ率を合算した数値、トータルドライビングではトップ10入りを果たしているキム。ここぞというときのドライバー飛距離は軽く300ヤード超。安定して飛ばしている秘訣は?

「バックスイングを上げるとき右股関節に乗っていき、切り返しで左肩を左ツマ先に向かって沈むような動作をすることでパワーをためています。手元が体に対して遠い位置から下りてくるからこそ、クラブがいい意味で振り遅れてきて飛距離につながっています。左腕の力加減が変わらない状態で、手元が遠回りして下りてくることでスイングアークが大きくなり安定して飛びます。アマチュアの方は左手小指のテンションを変えないようにするといいでしょう」と、石井。

左に沈み込む動作でパワーをためて、そのパワーを体の回転スピードに変換して飛距離につなげるキム。190センチ近くある高身長で大きな弧を描くスイングで飛ばし屋と呼ばれる。さらに平均パット数は1位を記録し、バーディ数も上位に位置している。今季もこの飛距離とパットのうまさでどんなビッグスコアがでるのか期待がかかる。(文・高木彩音)

■石井忍(いしい・しのぶ)1974年生まれ、千葉県出身。東京学館浦安高等学校、日本大学のゴルフ部で腕を磨き、98年プロテスト合格。2010年にツアープロコーチとして活動を始め、多くの男女ツアープロを指導。また「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアへの指導にも力を入れている。

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