2022年は「70点」 まだ、完ぺきじゃない【2023年・勝みなみの新たな挑戦】

畑岡奈紗、渋野日向子ら強豪ぞろいの黄金世代の先頭を常に走ってきた24歳がいよいよ海を渡る。アマチュア時代に「KKT杯バンテリンレディス」を制するなどツアー通算8勝の勝みなみが、昨年12月に行われたQシリーズで5位に入り米ツアーの出場権を獲得した。そんな世界最高峰の舞台に挑戦する勝に迫る。今回は2022年の振り返り。

傍から見れば完ぺきに思えたシーズンも、本人としては満足とは言えない1年だった。点数にして「70点」。意外とも思える数字が上がった。

改めて振り返ってみると、序盤こそ勝ちきれない試合が続いたものの7月の「楽天スーパーレディース」で史上初となる72ホールノーボギーで優勝。さらには10月の国内メジャー「日本女子オープン」では畑岡以来となる史上3人目の連覇を飾った。さらに年末には5位という好成績で来季の米ツアーの出場権を獲得。メルセデス・ランキング4位と年間を通じても安定した成績だったと言ってもいい。

そんな1年のどこに不満があったのだろうか。勝が挙げたのは目標を達成できなかったことだった。

「ツアー3勝以上という目標を持ってやっていたので、それを達成できなかったのは悔しいです」

開幕前に立てたのがこれまで自身が達成したことのない年間3勝。だが、それにはあと1つ足りなかったのだ。「やっぱり自分が決めた目標は必ず達成したいんですよね」という言葉に芯の強さをうかがわせる。

なぜ3勝できなかったのか。勝負どころでの良さを反省する。

「やっぱり大事な場面でパターを決められなかったり、そういう強さが足りなかったと思います。勝てそうで勝てなかった試合がたくさんある。振り返ってみてもショットがいいのにパターが入らなかったり、“ここでこういうショットが出るの?”ということもあった」

とはいえ、勝負強さは簡単に身につくものではない。ひとえに勝負強さと言っても様々な要素が複合しており、技術面、精神面どちらも要因となりうるものだ。勝はどのようにアプローチしていくのか。

「私は優勝できる実力は持っていると思う。気持ちの面というか考え方が違うと思う。優勝できるときは無心だし、自分の思ったところに打つことしか考えていない。勝てないときって何か先のことを考えている。迷いがある。そういうのがあるから勝負がうまく転がってくれない。迷わないのは難しいと思うけど、迷っても“行けばわかるさ”を徹底したいですね」

成功体験と失敗体験の両方があるだけに原因は明確だった。精神面の問題。そして、それは克服できる。そう強い言葉で話した。

「いい年もあっていいのですが、課題がある年のほうが次に生かせる。“まだ完ぺきじゃない”と思ってまた頑張れる」。米ツアー挑戦を前に過ごした“70点”のシーズンは、きっと飛躍へとつながる。

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