大阪といえばたこ焼きやお好み焼きというのが一般的なイメージですが、実は大阪にはまだまだ全国では知られていない、名物グルメが眠っています。そのひとつが「かすうどん」。「かすうどん」は大阪の南部、食肉加工が盛んに行われていた羽曳野の発祥だと言われるご当地グルメです。「かすうどん」というネーミングを聞くと、天かすが乗ったうどんだと思うかもしれませんが、「かすうどん」の「かす」の正体は「脂かす」と呼ばれるものです。
これは牛のホルモンを細かく刻んで、かりかりになるまでじっくりと油で揚げたもの。元々は、脂かすは食用ではなく、牛の脂である「ヘッド」を製造する際にできる副産物でした。しかしこの脂かすを食べてみたところ、外はカリカリとしていながら歯ごたえのある食感。牛肉の旨みもしっかりと残っているため大人気の存在になりました。その脂かすを乗せたうどんが「かすうどん」です。
かすうどんは通常のかつおと昆布の出汁に牛肉の旨みと脂の香りが溶けだして、非常に濃厚な味わい。しかし、脂かすを製造する過程で脂分はしっかりと抜けているため、胃もたれするようなしつこさは感じません。また「脂かす」という文字を見ると非常に脂っぽいものを想像しがちですが、実は脂肪分は少なく、高たんぱくで高コラーゲンと言う優秀な食材。当然女性にも人気があり、現在では多くのお店が「かすうどん」を提供しています。大阪の人はお酒のシメはラーメンではなくかすうどんという人も少なくありません。かすうどんは大阪の隠れた実力派のグルメと言えるでしょう。
[写:Kazuhisa OTSUBO@fliker]
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