丹波篠山の黒豆

おせち料理にも欠かせない黒豆は、日本の食文化を語る上で重要な食材のひとつです。また、強い抗酸化作用を持つポリフェノールの一種アントシアニンや、女性ホルモンに似た働きを持つイソフラボンといった成分を含むことから、健康や美容に気遣う人から注目を集めています。そんな黒豆のなかでも、高い評価を得ているのが、兵庫県の丹波地方で採れる大粒の丹波黒です。趣深い城下町としても知られる篠山市では、特産品である丹波黒を使った美味しい物に出会うことができ、黒豆が観光資源のひとつにもなっています。

丹波黒の甘煮は、パンスイーツに積極的に取り入れられています。篠山の地で明治時代から親しまれてきた老舗のベーカリー「小西のパン」の看板商品が黒豆パンです。柔らかな食感のパン生地に、丁寧に時間を掛けて控えめな甘さで煮た丹波黒が贅沢に散りばめられていて、黒豆の里ならではの味わいを堪能できると評判を呼んでいます。篠山市内有数の黒豆の産地として名高い川北地区には、丹波産の素材にこだわる洋菓子店「豆畑」があります。ロールケーキの生クリームのアクセントに黒豆煮を入れた川北ロール、発酵バターを使ったカステラ生地に丹波黒を合わせたバターカステラといった、篠山ならではのスイーツを提供し、地元の人々にも観光客にも愛されています。

黒豆は、黒豆茶や黒豆コーヒーなど、飲み物で楽しむこともでき、そのアレンジの幅の広さが人気を支えるひとつの理由となっています。

[写:Shunichi kouroki@fliker]

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