ロシア海軍“戦後の戦艦”ともいえる巨艦の改修を断念へ!? 大幅遅延していた姉妹艦も影響か

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ロシアの国営通信社タス通信は2026年10月30日、原子力ミサイル巡洋艦「ピョートル・ヴェリーキイ」について、近代化改修および修理を断念する方向で検討されていると報じました。

大戦後の戦艦といえる艦が近代改修を断念か?

 ロシアの国営通信社タス通信は2026年10月30日、原子力ミサイル巡洋艦「ピョートル・ヴェリーキイ」について、近代化改修および修理を断念する方向で検討されていると報じました。

 この情報は、全ロシア艦隊支援運動(DPF)の代表であるウラジーミル・マリツェフ氏が明らかにしたものです。

 マリツェフ氏は「委員会はすでに予備的な決定を下しています。最終決定はまだ発表されていませんが、巡洋艦『ピョートル大帝』は修復不能という判断です。この艦にはかなりの老朽化・摩耗が生じています」と語ったとのことです。ただし、現時点でロシア海軍からの正式発表はありません。

 同艦は、プロジェクト1144型巡洋艦(キーロフ級巡洋艦)の4番艦として就役しました。同級4隻のうち、ソ連崩壊後のロシア連邦時代に完成・就役した最後の艦であり、1998年の就役から2022年まで、本格的な近代化改修を受けることなく運用されていました。

 全長約250メートル、満載排水量は2万4,500トン以上。原子力を動力とし、多数の垂直発射装置(VLS)を搭載するなど、重武装を施された巨大艦です。その規模と兵装から、いわば戦後の戦艦ともいえる性格を持っています。

 当初は、3番艦「アドミラル・ナヒーモフ」の改修工事が完了した後、「ピョートル・ヴェリーキイ」の近代化改修に着手する計画でした。実際、2020年に改修を開始する構想もありました。しかし、「アドミラル・ナヒーモフ」の改修工事が大幅に遅れたため、「ピョートル・ヴェリーキイ」は長期間にわたって改修に着手できず、セヴェロモルスクで待機する状態が続いていました。

 こうした遅延の影響もあり、その間に同艦の艦齢が進み、老朽化も深刻化したことで、改修開始を待てる限界を超えてしまったとみられています。技術的には現時点でも改修が不可能というわけではありませんが、「アドミラル・ナヒーモフ」の改修工事が当初の想定より大幅に長期化し、費用も膨らんだことが、「ピョートル・ヴェリーキイ」の改修を断念する大きな理由になっているようです。

 ちなみに、「アドミラル・ナヒーモフ」の本格的な改修工事が始まったのは2013年です。しかし、同艦は1997年にはすでに運用停止状態となっており、1999年からドック入りして修理と近代化改修を行う予定でした。その後、資金不足などの問題から本格的な工事は長らく進まず、半ば放置された状態が続いていました。

 なお、1番艦「キーロフ」(ソ連崩壊後に「アドミラル・ウシャコフ」へ改称)と2番艦「フルンゼ」(同「アドミラル・ラザレフ」)は、すでに退役しています。

 一方、3番艦「アドミラル・ナヒーモフ」は、長期にわたる大規模な近代化改修を経て、2025年7月に白海で海上試験を開始しました。2026年現在、再就役に向けた最終段階にあるとされています。このまま「ピョートル・ヴェリーキイ」の近代化改修が実施されなければ、キーロフ級巡洋艦で現役に残るのは「アドミラル・ナヒーモフ」1隻のみとなる見通しです。

【改修開始は90年代!?】これが、再就役できそうな3番艦「アドミラル・ナヒーモフ」です(動画)