【ワシントン時事】米中間選挙での与党共和党の大敗を受け、トランプ政権と共和党内では敗北を巡り不協和音が生じた。バンス副大統領は敗因となった対イラン軍事作戦でトランプ大統領と一線を画し、多数派を失った下院では党指導部の刷新に向けた動きが本格化した。
◇28年大統領選を意識
バンス氏は4日、自身のX(旧ツイッター)で、「われわれが敗北した理由はイラン作戦だ」と強調。「上院の多数派を失うだけの価値があったと言いたいなら、そう主張すればいい」と指摘し、作戦を正当化するトランプ氏への批判を避けつつ立場の違いを示した。
バンス氏は2028年大統領選の共和党有力候補と目されており、大統領選を意識してトランプ氏と距離を置こうとする思惑があるとみられる。党内では敗北の責任を問う動きが表面化した。トランプ氏と緊密な関係を築いてきたジョンソン下院議長は4日、来年1月に始まる新議会で共和党下院トップへの立候補を見送る意向を固めた。
共和党は10日に後任選びの党内選挙を実施。米メディアによると、スカリス下院院内総務とジョーダン下院司法委員長が名乗りを上げている。「党の存亡に関わる事態」(デサンティス・フロリダ州知事)からの立て直しを急ぐ。
◇民主、歴史的勝利も課題
一方、民主党上院トップのシューマー院内総務は4日、歴史的勝利を受け「われわれに投票した人々の多くは今も懐疑的だ」と記者団に述べ、政策実現を通じて国民の信頼に応える必要性を訴えた。黒人初の下院議長への就任が確実視される同党下院トップのジェフリーズ院内総務は同日、議長選への立候補を正式表明。イラン作戦終結や物価高対策などに取り組む考えを示した。
民主党は議会の調査権限を活用し、トランプ一族の不正疑惑や移民当局による権限乱用などを追及する方針だ。ヘグセス国防長官の弾劾を求める声も強まっている。
ただ、今回の中間選挙では政治団体「米民主社会主義者(DSA)」が推した急進左派候補が少なくとも8人当選し、存在感を高める。イスラエル政策や国民皆保険導入などを巡って党主流派と対立する可能性もある。ジェフリーズ氏は党内の結束を維持しながら、トランプ政権にどう対峙(たいじ)するか手腕が試されそうだ。
〔写真説明〕バンス米副大統領=10月20日、ワシントン(AFP時事)