「山梨に行く神奈中」消滅へ 「道志みち」を走破する“相模原~山中湖”バス乗り継ぎの旅 廃止後どうなる?

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神奈中バスで唯一、山梨県へ乗り入れる路線が2027年3月に廃止されます。神奈川から山梨への路線バスの乗り継ぎができる貴重なルートが失われることとなりますが、実際はどうなのでしょうか。

山梨県を走る神奈中バスが消滅

 神奈中バスこと神奈川中央交通が、神奈川県北部の相模原市津久井地区で運行しているバス路線の多くを廃止すると報道されています。廃止予定のバス路線には、「道志みち」と呼ばれる国道413号を走るバス路線も含まれています。

「道志みち」は相模原から山梨県道志村を通って富士五湖の山中湖を結ぶ道路で、都心から山中湖を結ぶ裏ルートにもなっています。2026年時点では平日に限り、「道志みち」を走る神奈中バスと富士急バスを乗り継いで山中湖へ抜けることができます。しかし、2027年3月限りで神奈川中央交通のバス路線が廃止されます。現状はどのようになっているのか、実際にバスを乗り継いで山中湖へ向かってみました。

 この「道志みち」をバスで神奈川県側から山中湖に向かうには、神奈川中央交通の橋01系統三ヶ木(みかげ)~橋本駅北口線と、三56系統三ヶ木~東野~月夜野線、富士急バス道志線(月夜野~旭日丘)の3つの路線を乗り継ぐ必要があります。ただし、乗り継ぎ地点の三ケ木へは、JR中央線の相模湖駅からの神奈川中央交通のバス路線もあり、橋本駅と相模湖駅の双方からアクセスすることが可能です。

 このうち2027年3月で廃止されるのは、三56系統三ヶ木~東野~月夜野線です。現在は平日の1往復のみとなっています。

乗ってきたのは一人だけ…

 三ケ木は神奈川中央交通の津久井営業所があるバス停で、バスの車庫でもあります。営業所の建屋の1階にバス乗り場が3つあり、月夜野行きのバスは3番の乗り場から12時10分に発車します。

 三ケ木のバス停を発車したバスは三ケ木交差点を左折、三ケ木の市街地を南に向かいます。この辺りはスーパーなどの商業施設があり、いつしか1人が乗車しました。次いで青山交差点を右折して西に向かいますが、先の乗客は3~4つ先のバス停で降りていきました。以後、終点の月夜野までは乗客の乗り降りはまったくありませんでした。

 市街地を抜けたバスはカーブを繰り返し、山間を縫って走ります。ところどころでバスは停車し、後に続いて来たクルマを先に通していました。

いよいよ山梨入った――ハイ終点!

 バスは国道から一旦左折して集落の中を走り、再び国道413号に合流する形を繰り返します。集落の中は道路が狭隘で、センターラインのない道を走ります。このため、月夜野行きのバスは中型のバスが使用されています。

 三ケ木から40分、17.2kmを走ってきたバスは、両国橋で道志川を渡ると終点の月夜野に着きます。この両国橋が神奈川県と山梨県の境目で、月夜野のバス停は山梨県内にあります。月夜野は神奈川中央交通で唯一、山梨県にあるバス停ですが、山梨県内の区間はほんのわずかなのです。

 月夜野での三56系統から富士急バス道志線への乗り換えは10分の連絡です。この富士急バス道志線も、月夜野に発着するのは平日のみです。土休日は三ケ木から山中湖までまるまるバスの運行がありません。

山中湖からは賑わってきた!

 富士急バス道志線も基本的には国道をひたすら走るものの、途中で道志の湯や、道志村の歯科医療診療所に寄り道をしています。なお、道志線は他にも枝分かれする路線があります。

 月夜野を発車すると、つづら折りの坂を上がってカーブを繰り返しながらバスが走行し、ツーリングのバイクと頻繁にすれ違います。月夜野から山中湖へ向かう旭日丘行きのバスで車窓を楽しむのであれば、進行左側の席に座ると道志川に沿った車窓が見られます。

 沿線は釣り場やキャンプ場ばかりでしたが、集落が途切れると山間に入ります。つづら折りの坂を上がって山伏峠でトンネルを抜けると、道志村から山中湖村に入ります。

 山中湖側は景色が開けており、山中湖に近づくと平野のバス停に到着します。道志村のエリアでは筆者以外、乗車はゼロでしたが、平野バス停は新宿からの高速バスも発着するためか、ここで乗車がありました。乗車したのは外国人観光客で、その先、山中湖周辺のバス停からも計3人が乗ってきました。

 月夜野から約35km、約1時間10分かけて走ってきたバスは、山中湖周辺の市街地をしばらく走ると終点の山中湖旭日丘に着きます。ここでは新宿発着の高速バスをはじめ、河口湖駅~御殿場駅(富士急バス河口湖線)への乗り継ぎも可能です。また、水陸両用バス「YAMANAKAKO NO KABA」も発着しており、手軽に観光を楽しむこともできます。

廃止後はどうなる? 歩けばなんとかなる…?

 神奈川中央交通では三56系統三ヶ木~東野~月夜野線を含め、三ケ木より西の中山間地域にあたる津久井地区にある11路線を2027年3月に廃止する予定です。この代替として、沿線自治体の神奈川県相模原市ではコミュニティバス「さがくる」の実証運行を2025年から1年6か月の期間で実施しています。

 このうち、三56系統三ヶ木~東野~月夜野線が関連するのは「さがくる」の青野原・青根地区の路線です。2026年10月19日の改正時点では、13便(6.5往復)の設定に加えて夕方にはデマンド運行が行われています。

 使用されているのはワゴン車で、デマンド便も含む全便で事前の予約が必要です。「バス」ですが、実際には乗合タクシーで、相模原市の資料にも「乗合タクシー」という表現もあります。

「さがくる」の青野原・青根地区の路線では、三ケ木バスターミナルから音久和(おんぐわ)地区まで運行されています。音久和地区は神奈川・山梨県境の両国橋の手前に位置し、月夜野バス停から700mほど離れた場所で、月夜野へのバス路線が途切れることになります。

 2027年4月からは乗合タクシーに移行する予定で、本格運用に際して運行体制の見直しがあるのかもしれません。