国土交通省中国地方整備局は2026年11月2日、米子道を境港方面へ延ばす計画の対応方針案を示しました。3案を比較し、約20kmの中央ルートを選定。鳥取県も原案に同意しています。
山陰最大のイオンは避けて高速延伸
国土交通省中国地方整備局は2026年11月2日、米子道の延伸部にあたる米子~境港間について、第2回の計画段階評価に関する結果を公表しました。
中国道と山陰道を結ぶ米子道の法定路線名は「中国横断自動車道岡山米子線」で、山陽道と中国道を結ぶ岡山道とともに、鉄道でいえばJR伯備線に相当する“陰陽連絡線”を構成していますが、その終点は「鳥取県境港市」とされています。山陰道の米子JCTから境港までは未開通区間となっていて、その具体化に向けた取り組みが進められてきました。
この境港までの延伸ルートは、2025年6月の審議会にて、弓ヶ浜半島の「東側ルート」「中央ルート」「西側ルート」の3案が示されていました。その後の住民アンケート結果などに基づき今回、「中央ルート」を基本方針とすることが決まりました。
米子ICから境港へ向かう国道431号では、1日あたり約3万9000台が通行し、弓ヶ浜半島の付け根付近などで渋滞が課題となっています。境港は港湾や空港などの交通拠点を抱える一方、高速道路のICまでのアクセスに30分以上かかるとされています。
2025年8月から10月に行われた意見聴取では、輸送時間の短縮や産業活動の支援、災害時に機能する代替路の確保を重視する声が多く寄せられました。一方、自然環境や景観、家屋や集落への影響、建設・維持管理費への配慮も求められています。
中央ルートは、米子JCTから山陰道を約2km西へ進んだのち分岐し、国道431号の道路空間を活用する東側ルートに途中から合流する線形。計画区間は約20kmで、設計速度は80km/hです。
国道431号沿いにはイオンモール日吉津(山陰最大規模のショッピングモール)などの大きな商業施設が集積しています。中央ルートはそのエリアを避け、物流施設のアクセス性、自然環境への影響も考慮した案と説明されています。5つのICが設けられる見込みです。
全線高架の東側ルートや、距離が長くなる西側ルートよりも高架区間が短く安価とされ、自然環境や景観への影響、費用の面などで他案より総合的に優れると整理されました。事業費は約3500億~4500億円の試算です。
鳥取県は2026年10月28日、対応方針の原案に同意し、早期事業化を要望しています。ICの具体的な位置や道路との接続、構造などは今後検討するということですが、ルート帯の決定は事業化に向けた大きな一歩となります。
ちなみに、鳥取・島根県境にまたがる地域では、「中海・宍道湖8の字ネットワーク」という道路構想があり、米子道の境港延伸がその一部となります。松江だんだん道路(松江第五大橋道路、開通済)や、宍道湖北側の既開通・整備中の路線を組み合わせ、中海と宍道湖を囲むように「8」の字を描く道路網を形成するものです。