23区に小型火葬場新設案=住宅からの距離規制見直しも―有識者会議、年末に中間報告・東京都

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 東京都内で安定的な火葬体制を維持するため、東京23区に小規模な公営火葬施設を新設する案が浮上している。都は2~4基の火葬炉を備えた施設を複数整備すると想定。23区には火葬場を住宅から250メートル以上離して設置すると定めた条例などがあり、新設には「距離規制」の見直しが焦点の一つとなる。都の有識者会議は12月に中間報告を取りまとめる方針だ。
 都の試算によると、都内の死者は今後急増が見込まれる。ピーク時の2065年には、隣接する他県の市町村を含めた火葬需要が年間21万件超となる見通し。30年以降、火葬能力(同約16万6000件)が増強されない場合、65年には同4万7000件余りの供給不足に陥るとしている。
 今月中旬、都は区長や学識経験者らによる有識者会議に小規模施設の新設案を提示。吉住健一新宿区長は「検討する必要がある」と訴え、山田加奈子北区長も用地確保の難しさを挙げ「小規模火葬場も選択肢の一つだ」と前向きに応じた。
 距離規制は、野焼きが主流だった明治時代に決められ、都内では火葬場の無煙・無臭化が進んだ現在も残されている。ある区の担当者は「人口が密集する23区内に250メートル以上離れて火葬場を設置できるような土地は、ほぼない」と語る。
 全国では距離規制を見直す動きも出ている。栃木県真岡市は19年、250メートルの距離規制を廃止した。「火葬設備の近代化を踏まえた対応」(担当者)で、現在は公衆衛生上問題がないかなどを踏まえ、個別に判断している。
 立地場所も大きな課題となる。小池百合子知事は今月23日の記者会見で「火葬場は社会にとって不可欠な公共インフラだ」とし、市区町村の対応を後押しする考えを示したが、具体的な場所が示された場合、近隣住民の反対も予想される。ある区長は「今まで全くなかった所に設置する場合、住民の理解を得られるか」と自問する。