古い免許証、警備資料に流用=法抵触の恐れ、全国調査―神奈川で常態化か・警察庁

空き家の85%、1年後も空き家

 神奈川県警保土ケ谷署警備課の巡査長が、運転免許の更新時に回収した期限切れ免許証を不正に持ち出していた問題で、警察庁は22日、同県警内では古い免許証を警備部門の資料に流用する不適切な取り扱いが30年以上続いていた可能性があると明らかにした。個人情報保護法に抵触する恐れが高く、同庁は県警に実態解明を指示するとともに、他の都道府県警でも同種事例がないか、チームを設置して全国調査を始めた。
 同庁などによると、20代の男性巡査長は8月、古い免許証31枚が入ったリュックを駅に置き忘れ、駅員の通報で持ち出しが発覚した。免許証は巡査長が3月までいた港北署で交通課員から渡されたという。
 同署では、交通課が更新手続きで回収した免許証を全て警備課に回していた。警備課は捜査用に作成していた監視対象者らの人定資料に、古い免許証の顔写真などを流用し、県警本部とも共有していたという。
 県警によるベテラン職員への調査では、港北署以外の署の名前も複数挙がり、遅くとも1990年代から同様の運用をしていたとの証言が得られた。県警内で常態化していた疑いがある。
 個人情報保護法では、捜査利用やテロ対策など「相当の理由」がある場合は免許証データの取得を認めている。ただ、今回は無関係の市民も含む全ての免許証が渡されており、同庁は「目的外利用として違法になる可能性が高い」と判断した。
 今後、県警の保有資料を点検して、古い免許証に基づくとみられるデータは全て消去する。その他の個人情報についても、適正に取得したことが明らかなもの以外は過去にさかのぼって抹消する。
 また、更新時の手順を改めて、全国の警察に通達。古い免許証は原則、穴を開けて保有者に返還し、返却できない場合は交通部門内で速やかに処分するとした。