静岡県で陸自の新型戦闘車両が目撃。89式装甲戦闘車に似た姿ですが、ウクライナの戦訓を反映した「自爆ドローン」対策の切り札となる可能性を秘めています。
SNSで話題になった陸自の「謎の新型車両」その正体は?
2026年10月中旬、静岡県御殿場市で陸上自衛隊が試験運用中とみられる「見慣れない新型戦闘車両」が目撃され、ミリタリーファンのあいだで大きな話題となっています。
一見すると、長年陸上自衛隊で運用されてきた「89式装甲戦闘車」に似ていますが、その中身は全くの別物。現代の戦場で猛威を振るう“ある兵器”に対抗するために開発された、最新の試験車両でした。
今回目撃された車両の正体は、「遊弋型(ゆうよくがた)UAV対処器材(装甲車〈改善型〉装甲戦闘型)」と呼ばれるものです。その名のとおり、ウクライナなどの戦場で最大の脅威となっている「遊弋型UAV」、いわゆる自爆ドローン(カミカゼドローン)への対処を主眼に置いて開発が進められています。
上空を比較的ゆっくりと飛行し、ターゲットを見つけると自ら突入して爆発する自爆ドローンは、従来の戦車や装甲車にとって極めて厄介な存在です。この新型車両は、そうしたドローン攻撃から部隊や乗員を防護しつつ、前線で行動するために重要なミッションを担っています。
この車両は、陸上自衛隊が研究を進めてきた「共通車両の換装技術」がベースになっています。これは、基本となる履帯(キャタピラ)式の車体を共通化し、任務に応じてレーダーや武装といった装備を柔軟に載せ替える仕組みです。開発中の「装甲車(改善型)」の派生バージョンとしても位置づけられています。
強力機関砲でドローンを撃ち落とす!
ドローンを探知し、そして破壊するための能力も強化される計画です。公開されている調達仕様書を分析すると、試作車両にはレーダーやレーザー検知器といった追加センサーが盛り込まれていると見られ、上空から忍び寄るドローンの接近をいち早く察知する能力が大幅に向上すると考えられます。
そして、ドローンを迎え撃つ主武装には、強力な「30mm機関砲 Mk44」が搭載される計画です。2026年10月中には、この機関砲の射撃試験に関する技術援助も実施される予定となっており、接近するドローンを強烈な火力で撃ち落とす能力が検証されます。
ただし、この試験車両がこのままの形で正式に採用されるのか、また、最終的にどのような構成で全国の部隊へ配備されるのかは、まだ明らかになっていません。従来の「装甲戦闘車」が担ってきた歩兵輸送や火力支援といった能力と、最新の「ドローン対処能力」をいかに高いレベルで両立させるのか、今後の試験結果とその進化に大きな注目が集まります。